出版社内容情報
日本の華族令嬢とアメリカ人伝道師。数々の逆境に立ち向かい、共に負けずに闘った男女の愛に満ちた波乱の生涯を描いた感動の長編。
明治半ば、播州(兵庫県南部)小野藩最後の藩主の娘として生まれた一柳満喜子。封建的な家で育った満喜子だが、平民の通う女学校に進んで、アメリカ人教師から英語やキリスト教の精神を教えられ、神戸女学院では音楽を学ぶ。乳兄弟の佑之進との恋は実らず、傷心の彼女はアメリカに留学することに……。運命に翻弄されながらも、自らの人生を切り開いていった女の姿を描く感動の大作。
内容説明
明治半ば、播州(兵庫県南部)小野藩最後の藩主の娘として生まれた一柳満喜子。封建的な家で育った満喜子だが、平民の通う女学校に進んで、アメリカ人教師から英語やキリスト教の精神を教えられ、神戸女学院では音楽を学ぶ。乳兄弟の佑之進との恋は実らず、傷心の彼女はアメリカに留学することに…。運命に翻弄されながらも、自らの人生を切り開いていった女の姿を描く感動の大作。
著者等紹介
玉岡かおる[タマオカカオル]
1956(昭和31)年、兵庫県生れ。神戸女学院大学文学部卒。’87年、『夢食い魚のブルー・グッドバイ』で神戸文学賞を受賞し、作家デビュー。2009(平成21)年、『お家さん』で織田作之助賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
137
玉岡さんの女性が主人公のものです。ヴォリーズという建築家の奥さんになった人の生涯で上巻は主に女学校時代から海外留学までのはなしです。まだ封建時代の名残があるお殿様の家に生まれ、華族という身分にも堅苦しさを覚えていた主人公は、幼馴染の恋にも破れて海外へと旅立ちます。玉岡さんの作品はいくつか読んでいるのですがよくこのような人物を探してくれます。玉岡さんの母校を建築した人の奥さんなのですね。2017/01/02
Nobuko Hashimoto
22
昨秋、回顧展に行って、すっかりファンになった教育者の一柳満喜子さん。建築設計やメンターム(以前はメンソレータム)で有名な近江兄弟社の創始者W.M.ヴォーリズの妻です。 先駆的な教育事業を始めた方ですが、満喜子さんに焦点を当てた研究や著作は少なく、この小説は貴重な一作。上巻は生い立ちから娘時代までです。月イチ連載の書評@関西ウーマンで取り上げました。https://www.kansai-woman.net/Review.php?id=201661 2020/01/02
すのーまん
21
あのな、勝とうとしたらあかんのどす。相手を勝たしてなんぼが商売どす。けどな、負けへんのどす。絶対自分に負けんと立っとるのどすーー朝ドラで今をときめく広岡浅子さんの言葉が沁みる。日本に近代化の波が押し寄せた時代に、封建的な家で生まれ育ちながらも必死で自分の居場所や存在意義を模索する満喜子は、浅子にどれだけ励まされたことか。上巻ではまだまだ頼りなく翻弄される満喜子。ヴォーリズとの赤い糸もまだ結ばれず、海を渡るが、これからどんな未来が待っているのか期待しつつ下巻へ…なかなか面白いです! 2016/03/12
れんこ
17
門井慶喜さんの『屋根をかける人』を読んで興味を持った本。「勝たんでもいいから、負けんとき」朝子さんの言葉はさすが。2018/02/24
ぱぴこ*2
17
滋賀に住んでいるので身近にたくさんヴォーリズ建築があります。でも、いままでさしたる興味もなく、完全にスルーしてました。父は八幡商業高校の卒業生です。幼い頃、祖母が近江兄弟社のことを「ボーリスさんの学校」ヴォーリズ記念病院のことを「ボーリスさんの病院」と言っていました。こんな波乱万丈な物語がこんな身近にあったなんて。下巻でふたりの物語を見届けます。2015/10/16