新潮文庫<br> パスタマシーンの幽霊

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新潮文庫
パスタマシーンの幽霊

  • 川上 弘美【著】
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  • サイズ 文庫判/ページ数 296p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101292427
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

恋する女の準備は様々。丈夫な奥歯に、煎餅の空き箱、二股男の誘いに喜ばない強い心。女たちを振り回す恋の不思議を慈しむ22篇。

恋をしたとき、女の準備は千差万別。海の穴に住む女は、男をすりつぶす丈夫な奥歯を磨き、OLの誠子さんは、コロボックルの山口さんを隠すせんべいの空き箱を用意する。おかまの修三ちゃんに叱られ通しのだめなアン子は、ふたまた男の誘いの電話にうっかり喜ばない強い心を忘れぬように。掌小説集『ざらざら』からさらに。女たちが足をとられた恋の深みの居心地を描く22の情景。

内容説明

恋をしたとき、女の準備は千差万別。海の穴に住む女は、男をすりつぶす丈夫な奥歯を磨き、OLの誠子さんは、コロボックルの山口さんを隠すせんべいの空き箱を用意する。おかまの修三ちゃんに叱られ通しのだめなアン子は、不実な男の誘いの電話にうっかり喜ばない強い心を忘れぬように。掌小説集『ざらざら』からさらに。女たちが足をとられた恋の深みの居心地を描く22の情景。

著者等紹介

川上弘美[カワカミヒロミ]
1958(昭和33)年、東京都生れ。’94(平成6)年「神様」で第一回パスカル短篇文学新人賞を受賞。’96年「蛇を踏む」で芥川賞、’99年『神様』でドゥマゴ文学賞、紫式部文学賞、2000年『溺レる』で伊藤整文学賞、女流文学賞、’01年『センセイの鞄』で谷崎潤一郎賞、’07年『真鶴』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

494
クウネルの巻末に連載された作品だそうだ。するすると読めるのに、いつのまにか心に引っかき傷を残すような。恋愛真っただ中、もしくは終わった恋愛を偲ぶ主人公たち。どの作品にも、人間関係を象徴するアイテムやお料理が使われているのが作者らしい。それは銀の指輪だったり、黒豆だったり。毎晩、寝落ちまでのひとときに読むのを楽しみにしていた…そんな短編集。2022/03/09

❁かな❁

185
やっぱり川上弘美さんのこの優しくふんわりして切ない雰囲気大好き♡川上弘美さんの作品を読むのは7作目。『ざらざら』と同じような22編の短編集。いろんな形の恋のお話*1話目の「海石」からとても惹き込まれます。川上さんの作品の女性は切ない苦しい恋をしていてもドロドロではなく、とても共感できたり愛おしく感じます。お気に入りは「海石」「すき・きらい・らーめん」「パスタマシーンの幽霊」「ナツツバキ」「修三ちゃんと黒豆」「庭のくちぶえ」「ブイヤベースとブーリード」。ヤマグチさん何だか好き♡とっても素敵な作品♪2015/10/18

nico🐬波待ち中

118
恋っていう名前のものじゃなかった。でも、知らんふりは、できないものだった。知らんふりできなかった想いは「あたし」の中に確かにずっと残ってる。雑誌『クウネル』に連載された短編集第2弾。今回も様々な「あたし」達の揺れ動く想いに、私の気持ちも揺さぶられっぱなし。お馴染みの修三ちゃん・アン子の親友コンビに加え、誠子さん・山口さんコンビもとてもいい。また今回は美味しそうな料理も印象的。ケチャップごはんに、黒豆、はまぐりずし、鶏のまるごと煮込み、ブイヤベース…。料理と一緒に、作った時食べた時の想いも伝わってきた。2018/07/06

ゴンゾウ@新潮部

103
「ざらざら」に次ぐ短編集。あらゆる年代の女性が主人公になり色々な恋をする。片思い、道ならぬ恋、行きずりの恋などなど 本当にうまく描かれている。川上さんのこの何とも言えない 優しい空気感が大好きです。そして 必ず登場する美味しそうな料理の数々。きっとトマトケチャップご飯も美味しいんだろうな。2017/09/02

mocha

98
とても短い話なのに、どれも恋愛という病を得たときの女子の複雑怪奇な思考と心情に振り回される。迷いや自己嫌悪でいっぱいになりながらも、次の一歩を踏み出す女たち。「男は弱いんだから、いたぶるな」という台詞が読後に効いてきた。中学校国語の教科書に紹介されている本なのだが、中学生が読んだら大人の恋愛だと思うのかな。コロボックル山口さんがすごく好き。その後の展開も含めて一冊にまとめてくれたらいいのに。2018/01/21

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