新潮文庫<br> 椰子・椰子

電子版価格
¥572
  • 電書あり

新潮文庫
椰子・椰子

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 132p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101292311
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

妊娠中のもぐらと一緒に写真をとったり、町内の縄文人街を散歩したり、子供たちを折りたたんで押入れにしまったり、中くらいの災難に見舞われ一時乳房等の数が二倍になったり。奇想天外でヘンテコで不気味な出来ごとが、次々と繰りだされる日常を、ごく淡々と送る女性の、ユーモラスな春夏秋冬。一足踏みいれたらきっととりこになる、とっぷりと心地よい「椰子・椰子」ワンダーランド。

著者等紹介

川上弘美[カワカミヒロミ]
1958(昭和33)年東京都生れ。’94(平成6)年『神様』で第1回パスカル短篇文学新人賞を受賞し作家デビュー。’96年『蛇を踏む』で芥川賞受賞。著書は、『神様』(ドゥマゴ文学賞、紫式部賞)、『溺レる』(伊藤整文学賞、女流文学賞)、『物語が、始まる』『いとしい』『あるようなないような』『おめでとう』など

山口マオ[ヤマグチマオ]
1958(昭和33)年千葉県生れ。’91(平成3)年「年鑑日本のイラストレーション」新人賞、’93年N.Y.ADC賞他受賞。’97年千葉・千倉にオリジナルショップ&ギャラリー「海猫堂」をオープン。MAOネコの登場する独特の画風で人気を博す
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

❁かな❁

167
まさに川上弘美さんワールド♪めちゃくちゃシュール(笑)日記形式で不思議な世界が語られてて、そんなのないよ〜って思う事でもリアルに想像できたりするから面白い!人間じみてる、もぐらと写真撮影、言葉を話す大きな鳥のジャン&ルイ、コピー機に女の子が住みついたり…。奇想天外で川上さんらしい、おかしみがあり、ほっこりしちゃう感じ♡旦那さんがいるけど片思いしていたり、彼氏もいたりしてそこも川上さんワールド♡ご自身の夢日記から始まった「うそばなし」の数々♪半分は実際の夢とのこと*文庫化にあたり「ぺたぺたさん」も収録。2017/04/22

masa@レビューお休み中

146
タイトルの『椰子・椰子』の意味もわからなければ、表紙の絵がなんなのかもわからない。だから、ページを開いた瞬間、何が起きているがわからなくなり混乱する。その読者の混乱をよそに、日記は淡々と綴られていくのだ。まるで読者の混乱を楽しむかのようにおかしな日常が描かれていく。たとえば「近所の原っぱに怪物が住みついたと聞き、見にいく。」とある。詳しい説明も、その後の展開もまったくない。尻切れとんぼ状態で、僕たちの戸惑った心を放置して、翌日の日記へと続いていくのだ。恐るべし川上弘美女史!2014/10/06

ケイ

134
シュールレアリスムが文字になり、本になったような感じ。その世界に溶け込むのは、楽しかったり、少ししんどかったり。挿し絵が想像を助ける。最初の季節の語り手と、最後の語り手は違うなのか、季節ごとに人格がかわるのか...。春は柔らかい。夏はめちゃくちゃくちゃ。秋はだらしなく、冬は暗い。ひとつ気に入らないのは、なんでも受け入れすぎだってこと。不思議さを受け入れるのはしなやかさだけど、理不尽なことには怒って欲しい。怒りがないぶん、私に憤る感情を残す。ジャンとルイは、いいね。2018/11/29

ヴェネツィア

120
川上ワールド全開のお話に、これまた飄飄とした山口マオの絵がおまけに付いている。ただ、いつもとちょっと違うのは、日記形式をとっていること。各季節の終わりにある短編を除いては、概ねショート・ストーリーズの連作といった趣き。中には、わずか1行「松も取れたので、冬眠に入る」などというThe shortestとも言うべき、ショートショートの限界を突き破ったようなのまである。もちろん、1日ごとの単体で読むものでもなく、トータルに「軽み」の世界を味わうものだ。2012/08/06

nico🐬波待ち中

109
いいなぁ。川上さんのこの世界観はクセになりそう。ふわふわして優しくて。川上さんの夢日記が元になった物語。川上さんの紡ぐ「うそばなし」は現実離れしているのにとても自然体で、読んでいてすんなり受け止められるから不思議。「解説」の南伸坊さん曰く「奇妙で、トボけていて、ヘンなんだけれども、とてもホントウらしいところが魅力」まるで夢の中にいるかのような安らかさ。思わず微笑んでしまう位、おおらかに気持ちのいい読書を楽しめた。また川上さんの夢日記が読んでみたい。2018/06/01

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/541386
  • ご注意事項