内容説明
パリ警視庁特別医務室に勤務する精神科医のラセーグは、犯罪者や保護された者を診断する毎日。折しもパリでは万国博覧会が開催され、にぎわうが、見物客の女性が行方不明となる事件が相次ぐ。そんな中、ひどく怯える日本人少女を面接し、彼女の生い立ちに興味をもつ。一方でラセーグは、見知らぬ貴婦人にストーカー行為を受け、困っていた。執拗な誘いに負けて、彼女の屋敷を訪ねるが―。
著者等紹介
帚木蓬生[ハハキギホウセイ]
1947(昭和22)年、福岡県生れ。東京大学仏文科卒業後、TBSに勤務。2年で退職して九州大学医学部に学び、現在は精神科医。’79年に『白い夏の墓標』を発表、サスペンスの舞台を海外に据えた物語は直木賞候補となった。’93(平成5)年『三たびの海峡』で吉川英治文学新人賞、’95年『閉鎖病棟』で山本周五郎賞、’97年『逃亡』で柴田錬三郎賞を受賞した
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感想・レビュー
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藤枝梅安
28
舞台は1900年のパリ。万国博覧会が開かれている。パリ警視庁の精神科医・ジュリアンは警察に収容された精神的に病んでいると見られる患者を診察し、その後の処置を決定する仕事に就いている。仕事柄様々な人間を「鑑定」することになる。このあたりは筆者の経験が物を言っているようだ。ジュリアンの所に、日本人の若い女性が連れてこられる。「音奴」という名の少女はなにか恐ろしい経験をしたらしく、しかもフランス語がわからないので、とりあえず精神病院で療養させることにした。2011/01/20
蒼
25
図書館臨時休館対策週間再読本。1900年、万国博覧会で賑わうパリの街で万博見物に訪れた外国人女性が次々と行方不明になる事件が起こる傍らで、精神科医ラセーグは緘黙状態の表情を無くした日本人少女を診察する。物語の行方に気を持たせつつ、人間の精神世界の隘路、迷路、複雑さを精神科医ならではの視点で読ませてくれる。合間に差し込まれるパリの公園や街角の様子が、その場にいるかのように光景が目前に繰り広げられる。ポリニャック夫人の誘いを拒否できないラセーグに、精神科医と言えども男の脆さは克服できないのかと、残念無念。2020/04/11
montblanc
2
パリという華やかな舞台の裏で、精神を蝕まれた人々の診断を行う医師のお話。下巻も期待!2010/04/07
藤枝梅安
2
1900年のパリを舞台にした小説。医学小説のようなミステリーのような、それでいてやはり恋愛小説?2008/12/10
Shinke Taeko
1
★★★★☆2017/09/08