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新潮文庫
墨攻

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  • サイズ 文庫判/ページ数 170p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101281124
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

戦国時代の中国、特異な非攻の哲学を説き、まさに侵略されんとする国々を救援、その城を難攻不落と化す謎の墨子教団。その教団の俊英、革離が小国・梁の防衛に派遣された。迫り来る敵・趙の軍勢は2万。梁の手勢は数千しかなく、城主は色欲に耽り、守備は杜撰であった。果たして革離はたった一人で城を守り通せるのか―史実を踏まえながら奔放な想像力で描く中島敦記念賞受賞作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちび\\\\٩( 'ω' )و ////

95
春秋戦国時代の中国。非攻、博愛の哲学を説き、侵略されんとする国々を救援、その城を難攻不落と化す類稀なる才能に満ち溢れた、謎に包まれた教団・墨子。そして大国・趙は2万の群勢で梁国の侵略を開始。梁の城主・梁渓は墨子に救援を依頼。派遣されたのはたった一人の男。教団の俊英、その男の名は革離。梁の手勢はわずか数千。城主は色欲に耽り、守備は杜撰であった。果たして革離はたった一人で城を守り通せるのかーーー。漫画化、映画化もされた一人の墨子の物語。墨守と呼ぶのが一般的ですが、墨攻と名付けた著者のセンスが素晴らしい。名作。2017/07/22

射手座の天使あきちゃん

74
映画のコピー風に言うと、「名もなき市井の戦略家が、わずか4千の庶民を統率し、趙の精鋭2万の軍勢を相手に胸のすく大活躍、はたして梁城の運命は!?」って感じですね 人心掌握の術など「墨家』思想恐るべし!!ですねぇ <(^_^;2010/07/04

らぱん

54
春秋戦国時代に博愛を掲げた謎の思想集団である墨家を題材にした架空の歴史小説で軽さが特徴だ。南伸坊の挿絵にとぼけた味わいがある。思想としては当然ながら非戦が理想だが、実際には墨守の語源でもある守りに徹するという戦術で、大国に攻められる小さな城に赴き助け「墨攻」する。理想と現実の矛盾や墨家内の内紛などを流しつつ、職人としての軍師である主人公が奮闘する。130頁ほどの中編はさらりと読め、卒なく無理なく話は進んで予想の範囲内の結末を迎える。面白かったがちょっと物足りないような…。2019/11/24

姉勤

51
堅固な防禦。転じて頑に信じ続ける事を意味する「墨守」。そのために、人心を統一し、国力を充実させ、新兵器を開発し、戦術戦略を駆使し、スパイ、情報操作を行い、時には要人を暗殺し、最終的に敵国に侵略を「断念」させる情勢に持ち込む。そこにLOVEやPEACEはない。ただLOVEやPEACEを唱えられる国を維持させるだけ。憲法九条を唱え続ければ世界が平和であり続けるとする思考を「墨守」する蒙昧な人々に対する皮肉だろうか。そんなことはどうでもいいほどのエンターテイメント。本書を原作・発展させた同題のコミックスも白眉。2014/01/28

はらぺこ

44
中国の歴史に全く詳しくないが楽しく読めた。内容は史実ではなく創作。墨子は門番に対して「だれのおかげでこの城下が平和なのか知っているのか」って悪態をつくし、革離も梁城で『このような田舎の小城で、なにが大将軍、司徒、司空だ』と内心で笑ってる。なんか人間的にどうなんやろって思いながら読んだけど最終的にはオモロかった。馴染みの無い兵器名も出てくるが気になるのは最初だけ。もう少し長編で読みたかった気がする。140ページぐらい(挿絵が有るので実質140も無いと思う)しかないので読み易かったのかも。1人のアホの行動で国2010/05/23

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