出版社内容情報
阿刀田 高[アトウダ タカシ]
著・文・その他
内容説明
新約聖書の冒頭で、マリアの夫ヨセフの系図を長々と述べているのはなぜでしょう。処女懐胎が本当ならば、そんなことはイエスの血筋と無関係のはずです。ところで、聖書の中に何人のマリアが登場するか知っていますか?ではヨハネは?そして、イエスの“復活”の真相は?永遠のベストセラー『新約聖書』の数々の謎に、ミステリーの名手が迫ります。初級者のための新約聖書入門。
目次
第1話 受胎告知
第2話 妖女サロメ
第3話 ガリラヤ湖
第4話 十二人の弟子
第5話 イエスの変容
第6話 ゴルゴタへの道
第7話 ピエタと女たち
第8話 クオ・ヴァディス
第9話 パウロが行く
第10話 黙示とエピローグ
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青蓮
112
先月読んだ齋藤孝さんの本で紹介されていたので気になって購入。本書は新約聖書について解りやすく解説&考察した本。阿刀田さんの「実際はこうだったのでは?」「ほんまかいな」という想像や突っ込みを交えた本作はキリスト教初心者でも、聖書の知識がなくても、てとも楽しく読めました。キリスト教の成り立ちやユダヤ教との関係も改めて知ることが出来て勉強になりました。かつて熱烈なユダヤ教信者であったパウロが神の啓示を受け、キリスト教を熱心に布教した話には脱帽です。彼がいなければ今のキリスト教がなかったかもしれないとはまた凄い。2019/05/09
Die-Go
102
図書館本。キリスト教の聖典『新約聖書』を軽妙な文体で読み解くエッセイ(?)。読みやすく、しかし本質にも触れている点で初心者に向いているのではないだろうか。信者でもないのに、よくここまで読み込んだものだと思わされる。★★★☆☆2018/09/01
優希
94
面白くてためになるダイジェスト本という感じでした。新約聖書の数々の謎に迫り、わかりやすく答を出しています。新約聖書初心者のための入門書なので、親しみやすく読みやすい。難しいことは抜きにして読めるので、気軽に新約聖書のエッセンスを知ることのできるいい本だと思います。2016/04/27
TATA
83
旧約聖書編に次いで読了。阿刀田さんも書かれていますが欧州の歴史や芸術はキリスト教を抜きには語れない。その背景を理解しようとしてもそもそもの宗教や歴史に相当の知識がないと理解の入口にさしかかるだけでも相当の労力を必要とする。その意味では非常に読みやすく、読み手を選ばない作品でした。さて、では理解度チェックとして欧州の美術館を訪れてみよう。2018/12/20
夜間飛行
77
イエスの復活に際する駆け引きなど、聖書本来の読み方ではないだろうけど、非常に面白い。私も作者と同じで、信者じゃないからイエスを人として見てしまう。例えば、イエスが母マリアに「婦人よ」と呼びかける場面など、心中にいかなる思いがあるのか気になる。また、イエスの教えに弟子達が戸惑う場面では、自分も戸惑うかも知れないとか、イエスの真意はどうなのかとか…要するに人間対人間の劇として見るのであって、一方的に受け入れるわけではない。聖書をこんな風に読んでよいのかどうか気になるが、本書は聖書の魅力をたっぷり教えてくれる。2013/09/26