内容説明
「働くこと=生きること」責任ある立場に立ち、人生の光と影を背負いながら誠実に働くことは、それだけで充分に難しいこと。「働きざかり」の世代が直面する“見えざる危機”を心身両面から探り、解決のヒントを提案します。「つきあいの功罪」「会議と疲れ」「妥協と協調」「男女の迷走」「いじめの病根」そして「中年の危機」。誰もが避けては通れない大切な課題を考えるための心のカルテ。
目次
第1章 働きざかりの心理学
第2章 働きざかりの親子学
第3章 働きざかりの夫婦学
第4章 働きざかりの若者学
第5章 働きざかりの社会学
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ehirano1
95
読んで良かったなと思えた作品でした。で、何が良かったのか?一つは44歳の当方は働き盛りであると同時に人生の後半に入っているため「死の受け入れ」を考え始める時期に入っているということに気付かされたからです。老後をより良く生きるにはこれが肝要とのこと。ではどのように考えるか?本書にヒントがたくさんあったように思います。再読しながらゆっくり考えてみることにします。2017/02/12
クプクプ
78
河合隼雄の本は初めて読みました。河合隼雄は心理学者なので様々な方から悩みを相談されます。そういう人々の悩みがテーマになったエッセイは特殊なので非常に参考になりました。特に印象に残ったのは人間には思春期と同じように40~50代の方が死に向う「思秋期」があるという分析でした。正に自分のことを言われているようで冷や汗が出ました。30年前の本なのに全く古びていなくて最新のエッセイのような印象を受けました。少し北杜夫の『どくとるマンボウ医局記』にテーマが似ていると感じました。2021/10/06
s-kozy
63
昭和55年頃、かれこれ40年近く描かれた本なのにこれからの働き方や人生のしまい方などについて働く大人が考えるためのヒントがたくさん書かれていて、「さすが河合隼雄先生」の感を強くする本。でも、インターネット・SNSの普及、ハラスメント問題、不安定な雇用と不足する労働力、老後の資金問題などなど、今は中年以上が抱える問題はもっと大きいのかな?頑張りましょうね、ご同輩。2019/08/09
i-miya
61
>> 2013.02.05(01/27)(つづき)河合隼雄著。 (p238) 思春期と、思秋期-河合隼雄、オリジナル認識。 『妻たちに思秋期』-一般に流布。 これは河合隼雄の造語。 思春期=人間の受け入れるのに苦労、性。 思秋期=で、苦労するのは、死の受け入れ。ユング学派が元来、最も重要と考える研究課題としているのが、「中年」なのである。 岩波講座『精神の科学Ⅳライフサイクル』で系統的にその考え、述べられている。 フロイトが幼児期→青春期→成人期までの精神発達を重視。 2014/02/05
i-miya
58
2013.12.27(12/27)(つづき)河合隼雄著。 12/27 河合=C.G.ユングの流れの深層心理学。 小此木=フロイトの精神分析の流れ。 この本、ユング学派特有の人間理解が語られる。 その代表、第3章、働きざかりの夫婦学。 アニマとアニムスの部分。 両性具有性の考え。 男性の心にも女性像―アニマの、」女性の心にも、男性的なもの-アニムスが住む。 男性と女性が愛し合うときにも、アニマとアニムスが互いにかかわりあうので、4人の人間がかかわることになる。 2013/12/27