新潮文庫<br> 「死の医学」への日記

  • ポイントキャンペーン

新潮文庫
「死の医学」への日記

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 471p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101249155
  • NDC分類 490.4
  • Cコード C0195

内容説明

末期に臨んで、人は自らの人生を完成させるべく、どのような死を創るべきなのか?また、死にゆく人を医療はどう支援すべきなのか?終末期医療のあり方が問われる現在、現代医療は根源的な転換を迫られている。緩和ケア、インフォームド・コンセント、在宅ホスピス、尊厳死…。医療者と患者・家族が直面した身近な「生と死の物語」から、「死の医学」を探り当てた感動的なドキュメント。

目次

1 心が解き放たれる時
2 生きるとは
3 医学の再生
4 知性の力
5 妻の在宅ホスピス
6 死を創る時代
7 緩和ケアが拓く生
8 究極のクオリティ・オブ・ライフ
9 転換期の真只中で

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

80
終末期医療について考えさせられた。ガン末期の激しい疼痛や死を前にした時の心をどうケアするのか、患者の意思をどこまで尊重しえるのか。数人の患者と見守る家族、医師たちの取り組み、苦悩、決断。抗がん剤や治療法が進歩する一方でクオリティ・オブ・ライフ「生命・生活の質」という言葉とその基準をどこに置くのかといった研究も進んでいることを知った。そして私をガンを患った家族を持った者として共鳴できること、反省スべきことを多く感じることが出来た。避けられない事にどう向き合うのかを教えてくれた本だ。2017/05/30

ちゃんみー

52
長らく積読本だった本です。ようやく読めるようになりました。なぜなら買ったのが母が膵臓ガンで亡くなった頃だったからです。『死の医学への序章』と合わせて買いました。ガン死は日本の死因第一位。昔は病院で亡くなることが殆どだったけど、今や在宅ケアで養生しながら最期を迎えることもできるようになってきました。およそ30年ほど前から"死の医学"を考え、いかに死ぬか(言い換えれば、いかに生きるか、を考えてこられた医療関係者の方々に頭が下がります。デスエデュケーションの話しで出てきたおばあさんの話には涙しました。2014/02/16

hatayan

49
1999年刊。より良い死を迎えるために医療や患者に何ができるかを豊富な事例ともに考察。 ガンの転移を知った後、娘の結婚式に出ることと本を書くことを目標に人生を締めくくったNHKの記者。死が避けられない状況で若い頃に読んだ『夜と霧』を再読して心の支えとした医師。「お父さんや子どもに言い残すことがあれば、今のうちに言っておきなさい」娘の旅立ちが近いと察して核心に迫る問いかけをした母親。延命ではなくQOLの向上を優先させる価値観の転換に挑戦した医師も登場。いつかは必ず訪れる死について考える機会を与える一冊です。2020/03/11

たまきら

23
書庫整理中。当時話題になっていた立花隆氏の「脳死」とあわせて、自分的にはどこからが「死」なのかを本能で確かめたくて読んだ本の一冊。なぜなら立花氏の「死」は自分的に違和感が大きかったから。自死した息子の「脳死」体を臓器移植のために献体した柳田氏だからこそ、納得できる言葉の重さがある。自分は長いこと臓器移植に懐疑的だったが、友人の娘が重い心臓病を抱えて生まれてから臓器移植の現場をリアルに見て、考えが変わってきました。2017/06/14

Cinejazz

16
「生老病死」は人間の必然であり、疑いようのない真理だと理解できていても、実際に自分がその事態に直面する衝撃は大きい・・・。 医療従事者と患者、家族が直面する「生と死」のドキュメントをとおして〝死の医学(死にゆく人を医療はどう支援すべきか)〟の観念を探求した柳田邦男氏による感動のノンフィクション。▷「死の医学」とは、患者が精神生活において最後まで生を全うできるように支援する「生の医学」なのだ。▷医師でさえ自分の専門分野以外に疎くなっている昨今、患者・家族が情報を集めないと、死ぬに死ねない時代になっている。2023/03/28

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/459486
  • ご注意事項