新潮文庫<br> 数学者の休憩時間

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新潮文庫
数学者の休憩時間

  • 藤原 正彦【著】
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  • サイズ 文庫判/ページ数 313p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101248035
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

コンピュータにはなく、人間の思考にだけあるもの、それは「死」の感覚と「他人の不幸を思いやる気持ち」。数学者だからこそ見極められた明晰な論理の底には、深い情緒が流れている。妻の初産にうろたえる夫の心、思考の限界に挑む学者の気概、父・新田次郎の足跡をいつくしむ旅の日記。そしてちょっとトボけた身辺雑記。数学者にして名うてのエッセイストが贈る、選りすぐりの随筆集。

目次

とっておきの日常生活
いつも頭にあること
考えれば血の沸くこと
振り返れば胸の熱くなること
父の旅 私の旅

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Aminadab

26
第4作『遙かなるケンブリッジ』(1991年)読み終えてからの感想。処女作が77年だからこの作者のキャリアーの前半はむしろ寡作なのである。この4作のうちでは『ケンブリッジ』1位、『アメリカ』2位だが、年代順に4作読み通すのが吉。この人の美点は次男坊らしい癇癪持ちと利かん気をスパイスにした、しかしあくまで正直で正確で簡潔な叙述。第3作の本書後半のポルトガル紀行もお薦め。父新田次郎の未完の遺作『孤愁』のための取材旅行を、死の翌年に忠実に再体験しようと企てた記録。すごく感傷的なのに切れ味が全く鈍らないのはさすが。2023/07/20

inami

23
◉読書 ★3.5 これまで「国家と教養」「国家の品格」「遥かなるケンブリッチ」など数冊読んだが、藤原さんの作品は数学者であるが故なのか、数学者でありながらと言うべきか、実にメリハリがあり、ユーモアに溢れている。本書はエッセイ集、第一話の「人が人を生むために」は、長男の妊娠から出産まで、夫婦(男女)の考え方の違いや親になる感慨などを描いている。最終話の「サウダーデの石」は、父親(新田次郎)が亡くなる直前まで取り組んでいた小説の舞台ポルトガルを父親と同じルートで旅をする紀行文で、父親への愛情が満ち溢れている!2019/04/16

アルプスの空♪

16
彼の本の中で、このエッセイが一番好きかも知れない♪ 最後に阿川佐和子さんが言わんとしている事をすべて語ってくれているのが又すごーく良い(^_-)-☆2011/05/17

Endo Takafumi

12
冒頭の出産に立ち会う話は一年前の自分と重なり一気に本にのめり込みました。全体を通して感じたのは著者の格好よさと羨望です。数学もできて文章も書けるなんて感嘆するしかありません。情緒を大切にする生き方を自分なりに模索したいな。2015/03/21

レコバ

10
エッセイ集。小説テイストの出産の話がお気に入り。夫である著者の出産に対するスタンスの変化とか、夫妻の医療従事者への感情の変化が生生しくて面白く感じた。2019/11/16

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