新潮文庫<br> 黄泉(よみ)の王(おおきみ)―私見・高松塚

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新潮文庫
黄泉(よみ)の王(おおきみ)―私見・高松塚

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  • サイズ 文庫判/ページ数 299p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784101244051
  • NDC分類 210.2
  • Cコード C0121

内容説明

1972年3月、明日香村の高松塚古墳から華麗な彩色壁画が発見され、日本国中の人びとを興奮のるつぼに投げこんだ。だが、壁画の一部は削り取られ、人骨には頭蓋がなく、大刀には刀身がない。いつの時代の古墳か、被葬者はだれか。たぎる情熱をこめて果敢に古代史の真相に肉薄する著者が、生臭い権力闘争と、愛と死のドラマを再現し、闇に葬られた悲劇の皇子の姿を明らかにする。

目次

第1章 孤高なる古墳
第2章 推論の条件
第3章 ここにも悲劇あり
第4章 律令制の嵐の下で
第5章 可能的な葬送

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

野の花

5
推理小説を読んでいるみたいで、引き込まれていった。高松塚の被葬者が誰か、色々な角度から推理、作者が突き止めていく。納得。本当かもしれないと思ってしまう。とても面白い読み物、と言うより興味深い研究論文のような本でした。2023/11/13

YUTAKA T

3
高松塚古墳に埋葬されているのが誰なのかという後半の論考は、自分の知識のなさでさほど印象に残らなかったが、前半の論考、なぜ高松塚古墳の内部はこんなにも美しいのにこんなにも狭いのか、なぜ被葬者の全身の骨はあるのに頭骨はないのか、という部分の論考はみごととしか言いようがない。それが法隆寺の隠された十字架論につながるときに、日本古代の埋葬というものが持っていた意味の深さ、恐ろしさと神聖さを感じないわけにはいかない。1991/02/01

あっちー

2
梅原先生の読み返し。 一番、手軽に読めるあたりから。これを読むたび「天上の虹」も読みたくなる。2019/02/23

星乃

1
謎の多い高松塚古墳の被葬者を様々な資料から冒険的に推理。「日本紀などは、ただ片そばぞかし」と記した紫式部の言葉を引用しつつ正史の胡散臭さを指摘。むしろ藤原・物部氏に煮え湯を飲まされた大伴氏がまとめた(と言われる)「万葉集」にヒントが。持統天皇はぶっちゃけ何人殺したのだろうか?外戚として皇族に食い込み政権を掌握しようとする智謀に長けた不比等の計略は恐ろしいものがあるが、そうやって日本はここまできたのかと思うと感慨深い。2022/09/19

Melody_Nelson

1
梅原氏の古代史は面白い。謎解き風になっているので、どんどん読み進んでしまう(その推理が果たして合っているのかはともかく)。万葉集の不思議な歌や、様々な言い伝え(特に怨霊伝説)等を知るだけでも、かなり知的好奇心は満たされると思う。こうして、「梅原日本学」なるものにハマってゆく…。2014/08/15

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