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新潮文庫
深夜特急〈3〉インド・ネパール

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  • サイズ 文庫判/ページ数 226p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101235073
  • NDC分類 290.9
  • Cコード C0126

内容説明

風に吹かれ、水に流され、偶然に身をゆだねる旅。そうやって〈私〉はやっとインドに辿り着いた。カルカッタでは路上で突然物乞いに足首をつかまれ、ブッダガヤでは最下層の子供たちとの共同生活を体験した。ベナレスでは街中で日々演じられる生と死のドラマを眺め続けた。そんな日々を過ごすうちに、〈私〉は自分の中の何かから、一つ、また一つと自由になっていった―。

目次

第7章 神の子らの家
第8章 雨が私を眠らせる
第9章 死の匂い

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

493
インド…キッツイわぁ。わたしにはとてもじゃないが無理。日本やアメリカで出会うインド人は、当然ながら祖国に帰れば勝ち組の階層。わたしの知るインド系と、ここに書かれた階層とは、とても同じ国で同居している現実とは思えない。半世紀近く経った今、少しはカーストの境界線が曖昧になってきているんだろうか。2020/11/15

ヴェネツィア

374
第2便は、全巻のハイライトともいうべきディープなインド篇と、それに比べるとちょっとマイルドなカトマンドゥ。中でも特に印象に残ったのは、ブッダガヤ近郊のアシュラムの記述だ。そこは、ハリジャンと呼ばれるアウトカーストの子どもたちが職業訓練(農業)を受けながら生活している共同体だ。子どもたちは好きでここにいるわけではなく、親に捨てられたのだ。その現実もインドだし、そうしたアシュラムがあることもまたインドの現実だ。もう1ヵ所はバーナラーシーでの死者たちとの遭遇の場面。いずれもが仏教の聖地であるのは偶然ではない。2013/01/30

やすらぎ🍀

287
香港には光と影があった。香港の影はカルカッタでは眩しいくらいに光輝いていた。まあ、これがインドっていうわけさ。路上の子どもたちは無言で手を差し出す。着いてくる。止まる。着いてくる。苦しかった。こどもたちの側にずっと寄り添っていた。別れ際の涙は忘れない。…横になり見上げた星空は間近だった。土の微かな温もりが伝わってきた。大地の熱に優しく包まれ緊張が解け、何千人ものインド人と同じ空の下で夜を過ごし、不思議と安らぎを感じていた。彼らは目の前の現実を受け入れたうえで、夢を見ているのだ。偶然に流された旅は第四巻へ…2021/04/29

absinthe

245
バックパッカーの聖書第三巻。カルカッタへ行き、ネパールに寄り道してデリーへ。病気になってしまう沢木さん。インドの描写がすごい。カースト制の影響があちこちに見られる。鬱蒼として暑苦しくて。壮麗な寺院、長閑な田園風景、寝そべる牛のにおい、牛糞のにおい、豪快に飛ばすリキシャの音。すべてが目の前にあるかの様。今までで一番面白いかも。食べ物が不衛生なのは、読んでいるだけでウっとくるが、これは仕方が無いのかな。埃っぽい情景が目に浮かぶ。2020/11/11

抹茶モナカ

177
インドでの旅の様子が描かれた分冊。僕がテレビなんかで見聞きしたインドのイメージ通りの描写が多いのだけれど、現代のインドはどんな様子なのだろうか。旅のテクニックも増えたのか、沢木氏の値切り交渉シーンも多かった。後半、旅先で病気を患って、難渋したり、旅の歯車が狂いつつも前に進む。旅先で出会った日本人とエリアス・カネッティについて話すのって、なんかカッコイイ。読んでいると、とにかく、日本にいるに過ぎない自分の日常でも楽しまなくては損な気分になった。2017/12/01

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