新潮文庫
不安な童話

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  • サイズ 文庫判/ページ数 344p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101234144
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

私は知っている、このハサミで刺し殺されるのだ―。強烈な既視感に襲われ、女流画家・高槻倫子の遺作展で意識を失った古橋万由子。彼女はその息子から「25年前に殺された母の生まれ変わり」と告げられる。時に、溢れるように広がる他人の記憶。そして発見される倫子の遺書、そこに隠されたメッセージとは…。犯人は誰なのか、その謎が明らかになる時、禁断の事実が浮かび上がる。

著者等紹介

恩田陸[オンダリク]
1964(昭和39)年、宮城県生れ。早稲田大学卒。’92(平成4)年、日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作となった『六番目の小夜子』でデビュー。ホラー、SF、ミステリーなど、さまざまなタイプの小説で才能を発揮している
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

SJW

244
大学教授のアシスタントをしている古橋万由子が女流画家の遺作展で、ハサミで殺される既視感を見て気を失い、過去の殺人事件に巻き込まれていく本格的ミステリーサスペンス。恩田さん得意のオカルトとホラーの要素も加えられている。恩田さんの作品ではいつもファンタジーの要素が強くて事実関係はそれほど注意深く読み取る必要はないが、今回は隠れている伏線に注意して読む必要があり、読後、計算された話の展開に驚いた。。2018/09/17

さてさて

222
『だって、あたしは実際にハサミが自分の首に刺さる感触を体験してるんですよ。ほんとに鮮明だったんだから、血の吹き出すのまで感じたし』、という衝撃的な主人公・万由子の『デジャ・ヴ』体験の場面から始まるこの作品。その体験がどこか他人事にさえ聞こえる『デジャ・ヴ』という言葉の中に真実の恐怖を読者が見ることになるこの作品。序盤の緊張感漂う展開の先に、恩田さんらしい独特な空気感に包まれたファンタジー世界が展開するこの作品。まさかの衝撃的な結末に「不安な童話」と名付けた恩田さんの上手さをとても感じた、そんな作品でした。2021/04/14

yoshida

153
不穏な雰囲気漂う恩田陸作品。個人的には感動する内容より、ダークで不穏な内容の作品が好みです。この作品も実に好みでした。若くして殺害された女性画家。死後25年が経過し、遺児により遺作展が開催される。遺児が見つけた遺言には、特定の人物に特定の作品を寄贈するよう書かれていた。主人公は画家の転生かも知れないと言う不安のなか、作品の寄贈に立ち会う。作品への底知れぬ悪意に戦く。何者かの妨害工作により、疑惑と不信、そして不穏な空気が漂う。回収される伏線と、謎解きの妙。更にエピローグで衝撃を受ける。非常に堪能出来た作品。2020/06/16

ダイ@2019.11.2~一時休止

110
生まれ変わりの物語。初めて読んだ恩田陸作品。面白かったので、今はまだ2作しか読んでないけど、これから恩田作品を読んでいこうと思った。2014/04/08

舟江

107
タイトルの「童話」に騙されて読んだ。内容はホラーミステリー。何も同意することができず読了。年を取ると、この手の本には、不感症になってしまうようだ。2016/11/14

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