内容説明
四つの高校が居並ぶ、東北のある町で奇妙な噂が広がった。「地歴研」のメンバーは、その出所を追跡調査する。やがて噂どおり、一人の女生徒が姿を消した。町なかでは金平糖のおまじないが流行り、生徒たちは新たな噂に身を震わせていた…。何かが起きていた。退屈な日常、管理された学校、眠った町。全てを裁こうとする超越的な力が、いま最後の噂を発信した!新鋭の学園モダンホラー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
SJW
225
恩田さんの「六番目の小夜子」に続く第二の長編。「六番目の~」と同じように高校生が主人公のファンタジー。東北のある町の高校で変わった噂が広まりそれが現実になっていく。噂の発信元を探るべく調査を進めていくが、調べるほど不思議な現象が起こったり、別な世界に繋がっていることが分かってくる。久々に恩田ワールドの不思議な話に浸ってしまった。この小説などが光の帝国シリーズに発展したのだろうと感じた。2018/08/07
ダイ@2019.11.2~一時休止
148
ちょっとSFちっくな学園ホラー?。なんかモヤモヤが残るのは恩田作品ならでは?。2015/07/21
Tetchy
145
誰もが経験した庶民的な風景を映像的に、また世間話のような親しみやすさで語る。このノスタルジックな高校生の時の心象風景を切り取ったような作品世界は、非常に取っ付きやすかった。更にいわゆる都市伝説的な学生間に広まる妙な噂やおまじないも非常に親近感を覚えた。作品に横溢する風景や高校生の思春期に感じる想いなどは読者の「あるある」感を引き出し、読者の共感を誘う。実際私もしばしばそう感じた。そしてもどかしさを感じる物語の結び方は、身体は大人でも心は未熟な高校生たちが抱く、なんとも説明のつかない不安定な感情を思わせる。2010/04/30
ちょこまーぶる
133
ファンタジーってやっぱり苦手だと認識した一冊でした。読み進めても???という点が多くて、どうにも頭の中で整理がされない状態が続き。、後半はさっぱり理解不能という場面もあったぐらいです。なので、感想を述べようにも難しさがありますね。でも、高校の垣根を超えた「地歴研」というサークル形態には興味があり、しかも郷土の奇妙な噂の出所を調査・解明なんて楽しくてしょうがないのではないでしょうかね。そして、金平糖のお呪いなんて実際にどこかの街の学生の間で流行っても可笑しくは無いと思います。金平糖も食べたくなったしね。2016/05/24
nanasi
132
カバーデザインは中山尚子さんです。小谷真理さんが解説として「夢の地理学のために」が収録されています。よくわからない作品でした。晋の言う跳ぶとは何なのか?2013/11/28