内容説明
事前に知りながら、なぜ金正日の長男は国外退去となったのか。JCO放射線事故の対応に、政府はなぜ4時間半もかかったのか。オウム真理教教祖逮捕を確認できないまま閉会した対策会議のお粗末さとは?…小泉政権から村山内閣時代までの大事件を遡り、極秘の政治情報を駆使しながら、危機管理体制の舞台裏を生々しく再現。「国家の情報機能」の弱体ぶりを告発した傑作ドキュメント。
目次
プロローグ 「金正男」不法入国す
第1章 JCO臨界事故発生・一九九九年九月三十日―知られざる「被害管理」の理念
第2章 オウム真理教教祖逮捕・一九九五年五月十六日―露呈した官僚組織の弱点
第3章 阪神・淡路大震災・一九九五年一月十七日―発生から六時間、総理の予定に変更ナシ
第4章 北朝鮮クライシス・一九九四年七月―金日成の死去で露呈した情報システムの欠陥
第5章 ルワンダ難民救援PKO派遣・一九九四年九月―外務省、情報操作の実態
第6章 宙に浮いた「内閣機能強化」―“日本情報機関”の全体像
第7章 情報戦略なき国家の悲劇―官邸に情報なし、各省庁各局に情報あり
エピローグ “危機管理”から“被害管理”へ
著者等紹介
麻生幾[アソウイク]
1960(昭和35)年、大阪府生れ。作家。内外の事件をテーマにした、深層をえぐるノンフィクションを数多く発表。最近は、ノンフィクション・ノベルの分野でも意欲的に作品を発表している
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