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新潮文庫
写楽・考―蓮丈那智フィールドファイル〈3〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 319p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101207230
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

歴史に不滅の名を刻みつつも、いまだヴェールに厚く覆われたままの、東洲斎写楽。蓮丈那智は、古文書の調査の訪れたはずの四国で、その浮世絵の知られざる秘密へ足を踏み入れることに(表題作)。憑代、湖底遺跡、奇怪な祭祀。異端の民俗学者は、堆積する時代に埋没してしまった死者の囁きに、今日も耳を傾け続ける―。あなたの知らぬもう一つのニッポンを描く、本格ミステリ集。

著者等紹介

北森鴻[キタモリコウ]
1961(昭和36)年、山口県生れ。フリーランスのライターとして活動する傍ら、’95(平成7)年に『狂乱廿四孝』で鮎川哲也賞を受賞しデビュー。’99年には短編連作『花の下にて春死なむ』で日本推理作家協会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

148
シリーズ3作目は、三つの短編とひとつの中編が収め圧れています。短編の方は、やはり民俗学が中心であり助手二人と主人公のやり取りがいつも通りですが中編はこの本の題名とも関連していてかなり楽しめました。仮想民俗学ということで狐目の教務課の男性の本名も明らかになります。また冬狐堂の主人公も登場したりでかなり幅広い感じの物語になっていて北森さん独特の考え方が出てきます。(Kindle版へ登録してしまいました。登録しなおしました)2023/08/07

nobby

136
随分と久しぶりに読んだシリーズ3作目。民俗伝承と現代に起きた事件を絡めての展開は魅力的なのだが、如何せん民俗学そのものに置いていかれる自分を悔やむばかり…それでも切味抜群ホームズな那智と道化ぶりがもはや売りなワトソン役ミクニのやり取りに加え、由美子や遂に名前も明かされた狐目さんの活躍が益々楽しめるのがいい!特に中編とも言える表題作には冬狐堂など他シリーズからの登場もありワクワク出来る。ただ、本編では最後の最後までボカしてある有名絵師の存在を何とも素直に表してしまっているタイトルが不思議であると同時に残念…2019/09/14

ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中

132
前作からだいぶ時間が開いてしまったが、久しぶりでもすぐに思い出せる際立つ個性の面々。今回のテーマに限らず民俗学とはこれにつきるのかもしれないけれど、マレビト(神々、異人)の住む常世と常人の住む人里との境界を示す象徴、というのが主軸であったように思う。鳥居は常世への入口、というのはイメージつきやすいけど、本殿を祀ったのではなくもとは鳥居こそが信仰の対象では、という視点のは興味深い。破壊されるための神(御札、神像、シャーマン(人身御供))とかそこから幾つもの物語が生まれそうなテーマたちが楽しい。2021/01/05

yu

102
蓮丈那智シリーズ第3弾。 相変わらず小難しい専門用語多発で、理解には到底いたらない部分が多々あったが一気読み。表題作「写楽・考」には特に脱帽。宇佐見さんも登場したし、狐目の高杉さんもこんな展開に!!!と驚くばかり。フェルメールのくだりは鳥肌もの。 美術とミステリーの関連性はやはり面白い。 第4弾もいずれ。2013/10/13

あつひめ

68
少しずつ蓮丈の周りの人間の姿が明確になっていく。狐目=高杉という名前をミクニに呼んでもらえるようになった。人が増えれば動きもより一層活発になる。仕掛けがどんどん複雑になっていく。今回は前作のような小悪魔的な部分はなく、蓮丈の若い頃を知る人間が何人も出てくる。蓮丈の民俗学=謎解きに対する思いが昔と変わらず一途だと言うところが蓮丈の魅力の一つかもしれない。北森さんのタネの仕込がとってもうまくて、いつその仕込んだタネが芽を出すのだろうとウズウズしてしまう。3巻まで一気に読んできた。4巻目、じっくり味わいたい。2012/12/18

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