内容説明
あたしはクサンチッペ、ソクラテスの女房さ。男たちは愚にもつかない議論ばっかりしてるけど、あたしはね、理屈こねる人間が大嫌い、目に見えて手に取れるものしか信じない―。希代の「悪妻」と「大哲人」の大激論。不倫ブーム、臨死体験、大地震、反戦映画、マルチメディア等々、あらゆる話題を肴に「史上最強の夫婦」が火花を散らす。愉快で辛辣な哲学対話集。人気シリーズ第二弾。
目次
クサンチッペ登場
ソフィーの馬鹿
わかってないねえ、柄谷君
脳でなくとも養老孟司
シンドラーのリスト
あたしの岩波物語
教授の警鐘「ハンチントン」
贅沢の探求
鈍足マルチメディア
大往生で立往生
慌てちゃだめよ、西部君
真面目がいいのだ、大江君
待ちに待ってた臨死体験
地震と人生
楽しいお花見
神様信じて下さいよ
学歴気にして考えられるか
死ぬのが恐くて病気になれるか
納涼ビアパーティ
あたしもいつか、マディソン郡
著者等紹介
池田晶子[イケダアキコ]
1960‐2007。東京生れ。慶應義塾大学文学部哲学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ehirano1
73
ソクラテスの妻はクサンチッペ以外には務まらないと思いました。しかも、クサンチッペが全く悪妻に思えません。それはそれとして、本書では「哲学」なるモノの神髄というか本質について言及されていると感じました。隠れた良書だと思います。2021/12/20
i-miya
55
2014.02.17(02/17)(再読)池田晶子著。 02/16 (カバー) あたし、クサンチッペ、ソクラテスの女房。 あたし、目に見える、手に取れるものしか信じないの。 (あとがき) (解説=柴田二郎) 悪妻の評判=ディpゲネス・ラエルチオス『哲学者列伝』が立てた。 2014/02/17
i-miya
10
P282 自己保存 すべての物は本質的な限りではそれ自体の存在を主張しようとする努力は、その物の現実の本質にすぎない P284 フラウド 倫理の3体系(1)キリスト、仏陀(2)ソクラテス、プラトン(3)マキャべり、ニーチェしかない
i-miya
10
2005.09.12 アコーレー(敵) しかし、ほめるときはほめる P226 批評 P237 第4章 スピノザ さまよえるユダヤ人 屋根裏部屋 エスピノザ一家 ポルトガル系ユダヤ人 オランダへ 1640 スピノザ8歳 P243 ブルーノの研究 2005.09.15 アナトール・フランス 1921 1676 ライプニッツが訪問 44歳で死亡 P264 知性改良論 永遠で無限のひとつのことに対する愛 2005/09/24
ichiro-k
9
故人に辛辣な個人レビューは気が引ける・・大森荘蔵氏著書の直後だけに彼女の哲学センスの辛さを感じた。せっかくソクラテスの名を借りて「個人個人でもつ答えやイメージなんてものを、僕は間違えても哲学の名で呼ばない。僕はそれを単に意見か人生観と呼ぶ。」「切実な欲求によって問い始めてしまった人に、なんで今さら入門(書)が必要なわけかね。」と理解していると思いきや・・・2010/12/21