内容説明
なぜ私の世界には光が差し込まないの―。様々な言葉や音楽、そして匂いがアンジュの世界を創造する表題作。伊東君ち、クルド人ゲリラのテント、そしてマサイ族と、世界中を飛び回る「茶の間を旅して」。営業成績抜群の豊臣秀吉に蔑まれ、得意先の徳川家康社長のもとに日参する、サラリーマン明智光秀の物語「カタストロフの理論」。ある日起きると鼻でモノを見ていた「奇蹟の鼻」など、九編を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
メタボン
29
☆☆☆ 気取った文体の寓話集。ストーリーが面白いものは少なかった。レコード針に着目した「ダイヤモンド・ヘッド」、明智光秀をサラリーマンになぞらえた「カタストロフの理論」がまあまあ良かった。2019/07/21
sk
4
随所に工夫が凝らされた短編集。小粒でありながらスパイスがきいている。2019/11/08
彬
4
借)おすすめされたのでどんなもんだろうと読んでみたら、いくつか気に入った作品がありました。確かになあと納得しながらしみじみと味わう「茶の間を旅して」、ささやかなきっかけが人生に大きく作用する「ダイヤモンド・ヘッド」の二作がお気に入り。こんな感じで短編が続くのかと思ったらもっと突っ込んだ男の性を絡めた話になっていったので「ああ、こっちにいくのかあ」とか思いつつ、なんだかんだで結構楽しめました。2011/11/16
ロイヤルミルクティ
2
★★★☆☆2003/06/24
とりぞう
2
緊迫感と脱力感の間で揺れ動く言葉遊びがとても魅力的。たとえば「今度は道が三つに分れて、ぼくを迷わす。どの道を行けばいいか教えてくれなかった薄情な友達への恨みがζみ上げてくる。どうにかしなくちゃ。天神様のいう通りにしなくちゃ」など。2010/07/23