新潮文庫<br> スズキさんの休息と遍歴―またはかくも誇らかなるドーシーボーの騎行

新潮文庫
スズキさんの休息と遍歴―またはかくも誇らかなるドーシーボーの騎行

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  • サイズ 文庫判/ページ数 416p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101180151
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

スズキさんは40歳で、広告会社の副社長。妻と一人息子と暮らす、いまでは立派な中年だ。そのスズキさんがはじめてとった有給休暇の朝に届いた一冊の古本『ドン・キホーテ』。差出人として記されていたかつての同志の名前は、奇妙に甘く懐かしく、スズキさんを20年前への時間旅行にと駆り立てた…。全共闘世代の現在を描いて怒濤の賛否を巻き起こした超話題作、待望の文庫化。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ハチアカデミー

7
C- 四十過ぎの元革命戦士は、現在広告代理店でコピーを作ることを生業としている。彼の元に、かつての戦友から岩波文庫の『ドン・キホーテ』が届けられる。それを見た彼は、息子を伴い、愛車のドーシーボー(2CV)にのって、旧友を捜す旅にでる! 本としても、四色で印刷され、イラストなどが散りばめられた凝った作りである(円城『後藤さん』のような感じ)。と、書くとなかなか面白そうなのだが… 『ららら科学の子』、『あ・じゃ・ぱん』へと繋がる、過渡期の作品という感が否めなかった。伸び伸びと書かれてはいるが散漫すぎる…2012/05/15

タカラ~ム

5
20年ぶりくらいに再読した。全共闘時代に属し学生運動に明け暮れていたときの精神状態のままオッサンになったスズキさんは、まさにドン・キホーテ。その熱さが時代とは完全にずれている。本書が刊行された1990年から更に25年が過ぎて、より一層と暑苦しさを忌避する時代になった。スズキさんはますます生きづらくなったのだろうと思う。2015/01/08

キク

4
大好きな一冊。元全共闘闘士の鈴木さんの人をくった態度がたまらない。これぐらいでいいんだろうな、きっとと思える。

入江

3
「ねぇ、パパ。聞いてもいいかな」で、繋ぐ感じ。大筋しかなく、パパの考えを子どもという装置を使って強制的に聞かされる。斬新な言葉使いもあるが、同じタイミングで絵文字的な手法が飛び出すので、驚きは最初だけ。高校生が読む社会科学の本を乱雑にした感じ。ただ、唯物論的弁証法を「ピッチャーとキャッチャーが球が決まんなくてずっと首振ってんのと同じだね」というのは面白い。2015/05/12

Mark.jr

2
「ららら科學の子」「あ・じゃ・ぱん!」と続く、日本社会を風刺する作品第1弾という感じです。2022/04/25

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