内容説明
臨床医として腕を磨きながら大学院に進んだ高村伸夫は、アイソトープを使った骨移植の動物実験に打ち込み学位論文にいどむ。初めて大きな手術の執刀者に指名された日の興奮と緊張。そして死と常に隣合わせている病院で患者達が示す、ほかでは決して表に出すことのない様々な態度に接し人間への理解を深めるとともに、看護婦・土屋和子との愛を育む。希望にみちた日々を描く第三作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
背番号10@せばてん。
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1994年4月5日読了。おじさんだって、たまにはこういう本を。(2022年2月5日入力)1994/04/05
yurari
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渡辺淳一の自伝的小説。吉原のやり手婆が日本における看護婦の嚆矢であるとの記述があったか本当なのかな。その理由は、一般子女は血を見るような仕事には携わるべきではないとの考えがあったため。一方でヨーロッパは貴族階級夫人のボランタリーから始まっているとのこと。「名医とは、手術が失敗しても患者が納得する医者のこと」これは医師に対する感情の本質をついているように思われた。2017/03/08