内容説明
あなたをこれまで決して味わった事のない爽快な体験に案内する、究極の料理小説「薬菜飯店」。不思議な味わいの川端賞受賞作「ヨッパ谷への降下」や懐かしい味わいの「秒読み」、ファミコンの悪魔が子供に憑依する「偽魔王」など傑作短編6編。それに「サラダ記念日」を本歌どりした過激なパロディ短歌「カラダ記念日」を収録。鬼才が腕によりをかけた短編特別メニュー。解説俵万智。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chiru
115
『薬菜飯店』は短編集の一編。「おれ」の前には効能抜群の料理が次から次へと!胡散臭い店主の勧めで食べたらなるほど、変化てきめん‼ でも、読んでるだけで病になりそう💦 筒井さんの作品は、いい意味で前代未聞!! これでもかとばかりに読者の食欲を減退させようとするのは「小学生か!」ってツッコミたくなるし、ナンセンスでシニカルなお話は筒井ワールドオンステージ!! 口直しがなければ読めないけどデザートは俵万智さんの『カラダ記念日』✨筒井さんのように、ふざけることに真剣になれるオトナってかっこいいな💕🎵 ★52021/07/07
優希
89
鬼才っぷりが蔓延した短編集ですね。ナンセンス且つ酷いとしか言えません。でも面白いから許してしまうんですけど。とはいえ、大便・小便の連発は流石に女子にはキツイものがあります。これは筒井サンにしか書けない世界観ですね。2017/07/07
♡ぷらだ♡お休み中😌🌃💤
64
昨日読んだサラダ記念日のパロディー作品『カラダ記念日』と筒井さんが腕によりをかけた6つの特別短編集。『カラダ記念日』は、主にヤクザの視点から詠まれた歌で、横に俵万智さんの『サラダ記念日』をおきながら読むと面白さは倍増。大笑い間違いなし。行ってみたいような行ってみたくないような、食べたいような食べたくないような、そんな中国4000年の歴史を踏まえた薬膳料理がでてくる店の体験談である表題作『薬菜飯店』と地獄と天国が入り混じり、スプラッター描写満載の『偽魔王』が印象に残る。筒井ワールドにどっぷり浸かれる1冊。2021/07/07
10$の恋
50
春になれば私の頭ン中に出没するヘンなおじさん…あ、失礼!筒井大先生。7つの短編集、春の陽気に誘われてつい読んじゃった!表題作「薬菜飯店」の料理はメッチャ食いたいけど絶対に食べたくない(笑)。特に「カラダ記念日」は「サラダ記念日」のパロディー、そして俵万智本人の解説付き!大爆笑♪ほかに哲学っぽいのありスプラッターあり、相変わらずのキテレツ空間はさすが「筒井ワールド」。しかしまぁ、読後の脳内シェイク感は思考デドックス効果になったのか、はたまた逆に善の心が抜け落ちてしまった現象なのか…どちらなんじゃ?ケケケ。2021/04/14
いちろく
44
紹介していただいた本。短編集。後の有名漫画に影響を与えた作品もあると思えば、とある有名作のパロディとハッキリと解るものまで、バラエティに富む。当時デビューして20年以上経過した50歳を過ぎた作家さんが、ここまで実験的に色々な作風やお遊びを繰り広げていたと思うと、それだけで胸の中が一杯になった。作品が発表された当時はより前衛的に捉えられたのは、想像に難くない。ジャンルが異なる作品を1冊にまとめた短編集にも時々出会うけれど、それとは別の面白さを感じた。紹介感謝! 2018/03/04