新潮文庫<br> メタモルフォセス群島

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新潮文庫
メタモルフォセス群島

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  • サイズ 文庫判/ページ数 291p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101171128
  • NDC分類 913.6

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

GaGa

46
筒井康隆のなかで最高の作品集。表題作は「トリフィドの日」などの旧SFへのオマージュが漂う名品。「毟りあい」は舞台劇にもなった作品。地味にすきなのは「定年食」最後の悩む妻のシーンにはもう悶絶。あと、「走る取的」なんかも面白い。この作者の短編集では「おれに関する噂」と同じぐらい楽しめる。2013/01/30

メタボン

43
☆☆☆☆★ 人質の指を切り落とし送り付けあう「毟りあい」、55歳になったら自らを食料として家族に差し出す「定年食」、どちらも読者を選ぶであろう過激さ。既読の「走る取的」「五郎八航空」はやはり名作。偽悪的な「老境のターザン」。史実に忠実であろうとするがゆえにハチャメチャになる「こちら一の谷」。童貞喪失への妄念がすごい「喪失の日」。筒井的な落語「母親さがし」。植物の生態系の進化が恐ろしい表題作。何百ものパラレルワールドが帯状に存在する「平行世界」。ホテルの百万円の部屋の実態は「特別室」。粒ぞろいの短篇集。2021/09/22

北風

39
悪ふざけ短編集。マイベストは、「こちら一ノ谷」と「特別室」です。一ノ谷の合戦図に垂水の「筒井邸」が書かれていたり、特別室のラストで、ホテルマンが捲し立てる安部公房かココリコ遠藤のような屁理屈がたまりません。悪ふざけがノリにノってる頃の作品ですね。2015/09/14

とも

39
★★★★✩大昔の再読。エログロナンセン万歳の筒井ワールド。なかでも忘れられない一冊が「走る取的」。実はこれを読みたくなって、筒井を読みあさる日々であった。何故かこわい作品は、未だ新鮮。2015/09/07

さっとる◎

36
恐怖に満ちた短編集。経験として知っている「こういうことは恐ろしい」ではなく、人間が生まれながらに持っているであろう恐怖という感情。それが純粋に取り出されて物語になっているから本当に怖い(笑)当事者ではなく客観的に眺める限りにおいて純粋な恐怖と滑稽さは紙一重で、滅茶苦茶で荒唐無稽で馬鹿らしい展開に笑いながらも恐怖のリアリティがやたらリアルで、さすが筒井さんだな!と。表題作に出てくる植物動物のメタモルフォーゼっぷりは感動の域(笑)ちょっと不思議な「平行世界」がお気に入り♪2016/02/04

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