出版社内容情報
「その子二十櫛にながるる黒髪のおごりの春のうつくしきかな」「やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君」。凛然と、誇らかな情熱をもって、命がけの恋心を、今この時の自身の美しさを歌いあげた『みだれ髪』。1901(明治34)年、その運命の人与謝野鉄幹により発刊。大人は眉を顰め、青年は快哉を叫んだ――まさに20世紀を拓いた全399首を、清新な「訳と鑑賞」、評伝と共に贈る。
内容説明
「その子二十櫛にながるる黒髪のおごりの春のうつくしきかな」「やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君」。凛然と、誇らかな情熱をもって、命がけの恋心を、今この時の自身の美しさを歌いあげた『みだれ髪』。1901(明治34)年、その運命の人与謝野鉄幹により発刊。大人は眉を顰め、青年は快哉を叫んだ―まさに20世紀を拓いた全399首を、清新な「訳と鑑賞」、評伝と共に贈る。
目次
臙脂紫
蓮の花船
白百合
はたち妻
舞姫
春思
1 ~ 3件/全3件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
44
今昔秀歌百撰 http://researchmap.jp/jo98dmxoy-1787586/#_1787586 に「誰見ても親はらからのここちすれ地震をさまりて朝に至れば」が選ばれていたので再読中です。ある時代の先端を生きたと思われる人物の詩集。 多くの人や作品に影響を与えているかもしれない。 当時の情景をどう読み込むかは,人それぞれだ。 語り継がれるものはあるのだろう。 詞は自由に作ってみてよいものだということを学習しました。2013/04/21
なる
43
純文学に触れようと手にとった本作。名前は知っていても全く読んだことがなかった。この藤島武二によるモダンな装幀がたまらぬ。全部で六つの章になっていて作風がそれぞれで異なり、序盤『燕脂紫』の章から読むものを引き寄せる。なんという艶っぽさ。鉄幹がイカれちゃうのもなんとなくわかる。危険な情熱が言葉の上で踊っている。見惚れてしまう。この章と『白百合』『舞姫』は直接的、『蓮の花船』は古典寄り、『はたち妻』『春思』あたりはそれらの中間といった印象で、あまり学がないので直接的なのが好みではある。それにしても罪な題名だわ。2021/03/30
33 kouch
38
堺で利休の軌跡を辿っていた際、同じく同郷の与謝野晶子にも興味をもつ。記念館ではみだれ髪をはじめとする各著作物も展示されていたが、その装丁が美しくデザイン性が高いのにも驚いた。こういうところにこだわる感性が素敵。みだれ髪をAudibleで聞いたが、内容は文語体で難解。だがそのリズムには強さと精細さが両立したような美しさが感じられる。当時は男性中心の古い社会。子供12人育てながら、女性の強さと繊細な美しさで自己の表現を貫いた与謝野晶子は本当にカッコいい。他の作品も鑑賞してもっと彼女の世界を味わいたい。2024/03/03
にし
38
雰囲気読み。CMにも使われた『やは肌のあつき血汐にふれも見で…』声にした音もカッコいい。半分も理解出来てないけど言葉に念があるのは感じられる。たまにはこういう本もいいじゃない。2014/10/09
スプーン
36
こってりした愛の歌集。くらくらするくらい、大胆でなまめかしい。愛し、闘い、生きる、女の性のすさまじさ。2018/04/29