内容説明
気鋭作家の身辺雑記、だけに終わらぬ面白さ!プレーンな日常を「非日常」に変えてしまう冴えた嗅覚。世間お騒がせの事件もサッカー選手の容貌も、なぜかシュールに読み取ってしまう、しをん的視線。「幸せになりたいとも、幸せだとも思わないまま、しかし幸せとはなんだろうと考えることだけはやめられない」。美しい男を論じ、日本の未来を憂えて乙女心の複雑さ全開のエッセイ。
目次
序幕 こうして舞台ははじまった
2幕 玉蹴り三昧
3幕 それぞれの熱中時代
4幕 楽園に吹くロマンの風
5幕 火種は身近に転がっている
6幕 せちがらい年明け
終幕 つつがなく幕は下り
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
568
しをんさんのエッセイが好きだ。こちらも読みながら推定35回くらい声に出して笑った。どこへ行くでもない、ほぼ自宅周辺、決して広そうではない交友関係の中で、よくもこれだけ笑いの種を見つけていらっしゃるものだ。「子宮防衛軍」の融通の効かなさは、女性だったら誰でも感じていることと思う(笑)まだいくつか積んである他作品、これからも人生の楽しみにとっておくことにしよう。2022/11/06
射手座の天使あきちゃん
307
『まぁ、あきちゃん またそんな本読んで・・・ ダメ、駄目、だめですよ!』 『だってママ しをんさんのお話面白いよ』 『面白すぎるからダメなのよ ホモと胸毛と「おたく」と「下ネタ」てんこ盛りの笑いのワンダーランドで迷子になっちゃうわよ!』 『♪わかったよ~! (雪だるまつくろう風に)』 と言うことで良い子の皆様、電車内で突然笑い出し不審人物扱いを受けぬようくれぐれもご注意を!(笑)2014/05/31
SJW
285
しをんさんの初期のエッセイ集。沢山の話題があり、楽しむことができたが、しをんさんの好みの胸毛の話、下痢の話、便器はまりの話には引いてしまったが、グアムでの偽乳、Good luck!!など抱腹絶倒の話も良かった。参考になったのは、しをんさんが作っている「微妙な刺激物一覧表」。私も作ってみようと思う。しをんさんのエッセイを読んで自分もエッセイを書いてみたくなった。誰も読まないけど。2017/12/31
HIRO1970
264
⭐️⭐️⭐️しをんさんのエッセイでした。03年なので、御歳27歳の若い時と言える作品ですが既にかなり偏りがある嗜好が幅を利かせており、お一人様街道の真ん中をズンズンと進んでいるのがよく分かります。今はどうなんでしょうか?古い本から順番に読むことにしているのでまだ12年遅れです。表現の比喩が多才で様々な一面を見せてくれていますが、このキャラと小説のイメージがマッチせず、別な人の作品を読んでいるような感じがして腑に落ちず少し混乱しています。2015/04/15
hiro
230
「まほろ駅前多田便利軒」を読み、また三浦しをんは妄想が好きだと聞いていたので、どんなエッセイを書いているのか読んで見たいと以前から思っており、作者のエッセイとしては、初めてこの本を読んだ。以前から思っているのだが、面白い小説を書く作家は、エッセイも間違いなく面白い。この本もまた然りで、胸毛や避妊具聞き取り調査等々、女性だから書けること、女性でしか書けないことを、下品にはならず、思わず笑ってしまう面白さに仕立てる作者のユーモアのセンスと文書力は一流だ。小説だけでなくエッセイも続けて読んで行きたい作家だ。2011/06/25