内容説明
日常の振る舞いにこそ、その人となりは現れる。スパゲッティの召し上がり方、アルコールの嗜み方、サラダの本格的な作り方、クルマの正しい運転法、セーターの着こなし方、強風下でのマッチの点け方、そして「力強く、素早く」の恋愛術まで。体験的エピソードで描かれる実用的な人生論風エッセイ。真っ当な大人になるにはどうしたらいいのか?そんな疑問を持つ「男たち」へ―。
目次
スパゲッティのおいしい召し上り方
血よ、したたれ!
パンによる一撃
食前の果物
待つこと久し!
チーズについた指のあと
舌を握って踊る話
陰気なお茶受け
イギリス人の驚き
鬚を剃った魚の話〔ほか〕
著者等紹介
伊丹十三[イタミジュウゾウ]
1933(昭和8)年映画監督伊丹万作の長男として京都に生まれる。映画俳優、デザイナー、エッセイスト、後に映画監督。TV番組、TVCMの名作にも数多く関わり、精神分析がテーマの雑誌「モノンクル」の編集長も務めた。翻訳者としての仕事もあり、料理の腕も一級だった。映画「お葬式」発表以降は映画監督が本業に。数々のヒット作を送り出した後、’97(平成9)年12月没
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふじさん
67
BOOKOFFで偶然見つけた本。四十数年ぶりの再読。当時は、アルコールの嗜み方、クルマの正しい運転法、恋愛術等書かれて内容に強く影響を受け実践した記憶があり懐かしく読んだ。当時の伊丹十三が不満に思っている事柄が、今は改善され良い方法に向かっていて、現実を知っている自分としては違った意味で面白かった。当時の世相を知るには、ぴったりの本だ。今読んでも参考になることが多かった。 2020/11/10
Kajitt22
60
雑誌popeyeの『本と映画の話』のなかで、数名の若いクリエーターがこの本を取り上げているのを見て、若い頃のめりこんだのを思い出し本棚の奥から出してきた。多くが食べ物と酒に関しての小文だが、今読んでもウイットとエスプリが利いていて楽しめた。著者三十歳代前半の著作だけに、勢いがありスノッブなところも許せてしまう。斜めに構えながらも時代の先端にいる気概を感じさせる。『どのくらいお酒を飲むの?』『ほぼ、うん時間くらい』のフレーズは出典を忘れて使っていた。2017/10/16
優希
56
その人の日常が全てを表現していることでしょう。モテたいからこそキザになるのだとも思わされるのですが、人生についてのエッセイと思えば納得です。2020/10/26
だーぼう
53
スパゲッティ・カルボナーラという料理名が出てきてビビる。当時、本を読んだ人の想像力やいかに。ブログに感想を書きました。2015/05/10
つねじろう
45
この本のおかげで豚は、家ではスパゲティーを茹で続ける存在となった。この本のおかげで、今、日本の常識になってる事も一応疑ってみるという嫌らしいキャラになった。この本のおかげで本物を探すようになった。この作者のおかげで気障も悪くないなと思えるようになった。この監督のおかげで邦画も面白いじゃんと思い出した。でも同世代だったら友達にはしたくないけど物凄く意識するそんなやつ。ここまで好き嫌いをハッキリ言うと畳の上では死に辛いだろうなと思ったらそうなった。2013/08/12