内容説明
その冬、ぼくは30年前の東京に迷いこんでしまった。隈田川沿いの古い鉄筋アパートの部屋で淡いまどろみから目覚めたとき、窓の外の高速道路は消え、柱のカレンダーには1959と記されていた。おずおずと一歩を踏みだすぼくの前に、次々と現われる見知らぬTOKYO、どこかなつかしい街と人びと…。過去と現在の衝突が生む不思議な時空を旅する青年の〈愛と冒険のファンタジー〉。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
BlueBerry
34
多分、出版された当時は面白かったのだと 思います。似ている感じの本を色々読んでしまったので新鮮に感じられませんでした。昔を懐かしむには良い本だと思います。2013/10/14
メタボン
29
☆☆☆☆ タイムスリップもの。ちょっと胸がきゅんとするような雰囲気の小説だった。私も戻れるならば80年代、平成になる前に戻りたい。パート2も楽しみ。2021/11/18
ワッピー
20
1989年の日本から突然30年前にタイムスリップした桐島夏夫は、まだ若い伯母と出会い、彼にとっては新たな「過去の東京」に暮らしていく。次第に時代に適応し、未来の知識を生かして放送作家として地歩を築き、東京オリンピック前の高度成長期の時代を生きつつ、伯母の過去を知った夏夫の前に怪しげな二人組の男が現れる・・・決してノスタルジー一辺倒ではなく、未来への期待と不安にあふれる東京が魅力的に描かれています。小林ワールドはクールでありながら優しさにあふれていて、どの作品を読んでも「ああ、ここに帰ってきた」と感じます。2019/02/11
バトルランナ-
14
また、タイムスリップものを読んでしまった!チープ・トリックの『冷たくしないで』等、現代がすでに懐かしい!5点満点で4点。2013/12/28
カンパネルラ
4
タイムリープのSFだが、時代を1959年として、作者が思い入れ深く魅力的な時代を描いている。そしてちょっとせつなく、パラドックスもうまくはまっている。非常にうまく面白い!この手の小説に私は滅法弱い2004/09/20