内容説明
秋山小兵衛の若き日の愛弟子が斬り殺された事件と、江戸市中の3か所で女が殺され、陰所と左の乳房が抉られていた事件。2つの事件の接点に浮かび上がった異常な殺人鬼の正体を、復讐の念に燃えた小兵衛が追う「白い鬼」。試合に負けたらその相手の嫁になるという佐々木三冬の話にうろたえる大治郎を描く「三冬の縁談」。もう1人の女剣士「手裏剣お秀」の登場など、シリーズ第5弾。
目次
白い鬼
西村屋お小夜
手裏剣お秀
暗殺
雨避け小兵衛
三冬の縁談
たのまれ男
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まめこ
22
★★★★★「手裏剣お秀」さん登場!殺害計画を耳にした又六さんがつなぎとして参加。強い人たちの中で弱いながらも頑張ってる又六さん、なんか好きなんだわ~。「三冬の縁談」でやっと大治郎も自分の気持ちに気づいたか!?自分より強い相手なら嫁ぐと公言する三冬さん。今度の相手はどうやら大治郎と因縁のある悪いやつらしい。うじうじする大治郎となんやかんや言いながらも世話を焼く小兵衛さんが見もの(笑)2022/09/24
いおむ
11
登場人物たちの心情・行動がとても人間くさくて好き。さらりと書いてあるのに深い。季節感や食べ物のシーンも然り。素晴らしい。面白い♪2017/02/23
文章で飯を食う
8
先が分かっていても、読んでいて楽しい。2011/04/20
ヨハネス
6
美冬のような女剣士がもう一人いた話が好き。おはるも「美冬さんより好き」と言ってます。あたしも子供のころ手裏剣に憧れ、折り紙で作って飛ばす練習をしたことがあるので。「乳房と陰所を抉り取る」など女性には不快な部分が多いのが不満。全体には勧善懲悪ができているのですらすら読めました。2016/02/29
HaruNuevo
3
シリーズ第5弾。女性を狙った猟奇的な通り魔殺人鬼を追う秋山親子の活躍を描いた緊迫感溢れる表題作に対して、佐々木三冬の縁談話に狼狽える大次郎を描いた『三冬の縁談』が良いコントラスト。2020/05/28