内容説明
天下統一を目前にした織田信長が本能寺に討たれたことから、諸雄は再びいろめきたつ。上・信二州に割拠する真田昌幸は、関東の北条、東海の徳川、越後の上杉と対峙しつつ、己れの命運を上田築城に賭けた。一方、昌幸の二人の子供、兄の源三郎信幸と弟の源二郎幸村、そして従兄弟の樋口角兵衛をめぐる真田家の複雑に入り組んだ血筋が、小国の行方に微妙な影を落としてゆく。
感想・レビュー
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海猫
218
いまのところは大河小説としての大きなうねりにはまだ入ってないと思うし、展開的にも一つの山場を手前にして二巻は終わった感じ。しかし語り口は池波節がいよいよ乗ってきて、真田家の面々が立ち上がってくるわ、それを彫り込むような各エピソードが興味深い。あと艶っぽい場面があったり女を知って男が成長するとかこういうところも池波正太郎ですね。2017/01/28
やま
172
【再々読】 血沸き肉躍る 真田太平記㈡ 2010.10発行。大活字文庫。大活字文庫の真田太平記㈡の底本は、新潮文庫です。このため登録は新潮文庫で行います。 上信州の弱小大名・真田が、家を、領地を…を存続させていくための戦いの物語です。 そんな中で、21才の佐平次と、19才のもよが夫婦となった。その幼さない夫婦を見ていると、微笑ましいです。佐平次は、思い返せば、2年前に高遠城よりお江により助け出されなければ、今日は無かったのです…。 声を出して読んでいると、血沸き肉躍るという表現がぴったりの本です。→2020/08/07
とん大西
123
本能寺の変-驚天動地に天下騒然。地方の一勢力に過ぎない真田も同様。息を吹き返した上杉と北条、胎動した秀吉と家康。昨日の友は今日の敵、その逆も然り。大勢力に挟まれた真田のサバイバルも始まる。忍びを駆使して英断果断、御屋形昌幸の熟達した采配。…と反比例するかの如くトホホなオヤジっぷり…。妾と逢瀬を重ね、正妻に怯え、嫡男信幸を疎み、次男幸村を溺愛し…。冷徹で勇壮な戦国武将がみせるお茶目な横顔。草刈昌幸のコミカルなダンディズムがよみがえります。家内のザワツキをよそに着々と動く戦況。次は上田合戦、さぁ来い、徳川!2021/05/02
優希
106
真田家の暗部や確執が見えてくるようでした。幸村の誕生の秘密、親子、兄弟、夫婦間が絶妙な関係を保ちます。信長の死後、情勢は大きく変化したため、真田家も危うく。生き残りをかけて幸村を上杉の人質に出し、同盟を結ぶことで何とか首の皮をつないだようですが。これを機に、幸村と信幸がどういう関係になっていくのかが注目ですね。今や絶対的立場の家康と秀吉。権力二分化という時代になったことによる真田の動きとは。大河とは異なる展開の予感がします。2016/11/04
きむこ
92
再読。今まではこの作品のストーリーを鵜呑みにしていたが、大河ドラマが始まったので、『源三郎と源二郎の出生の秘密』や『母親の山手殿の怖さ』はどちらがホント?どちらもフィクション?と少々混乱気味。真田の生き残りをかけて乱世を泳ぎ切ろうと画策する真田昌幸。上田城築城の判断や上杉景勝と和睦、ひとつひとつが今後の伏線か?そろそろ面白くなってきた(^。^)2016/03/04