新潮文庫<br> 味と映画の歳時記

新潮文庫
味と映画の歳時記

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  • サイズ 文庫判/ページ数 191p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101156286
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

正月には、幼い頃の御供えの橙のしぼり汁にたっぷりと砂糖を加えた味を思い出し、八月には、もぎたてのトマトと氷水のおいしさをたたえる。また五月には、ジャン・ルノワール監督〔ピクニック〕の野草の香りを想い、11月には〔第3の男〕の落葉のラスト・シーンを語る。半生を彩り育んだ“味と映画”の思い出にのせながら、現代に忘れられた四季折々の風趣と楽しみを存分に綴る。

目次

味の歳時記(1月 橙;2月 小鍋だて;3月 白魚と蛤;4月 鯛と浅蜊;5月 鰹とキャベツ;6月 鮎とさくらんぼ;7月 茄子と白瓜;8月 トマトと氷水;9月 小鰭の新子と秋刀魚;10月 松茸と栗;11月 葡萄と柿;12月 柚子と湯豆腐など)
映画歳時記(1月 正月映画;2月〔道〕と〔たそがれの維納〕;3月 雪と雨;4月〔白き処女地〕と〔春の序曲〕;5月 初夏の陽光;6月〔人情紙風船〕;7月〔巴里祭〕と〔残菊物語〕;8月 外人部隊の人びと;9月〔商船テナシチー〕と〔ピクニック〕;10月 長谷川伸の世界;11月〔秋のソナタ〕と〔第3の男〕;12月〔忠臣蔵〕)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

106
贅沢なつくりの文庫になっています。絵もご自身がかかれたものや昔の映画の場面などがあります。前半は味に関する12ヶ月にわたっての話で、読んでいて食べたくなる気持ちがわいてきます。後半は矢張り12ヶ月での映画などの紹介です。昔の映画が多く私も観たものはあるのですがこれを読むと再度観たくなりました。2017/09/25

雨巫女。@新潮部

15
ゴッホ展の帰りのバスのなかにて、亡き旦那所有の本。池波正太郎先生が大好きでした。食べ物の描写は、さすがです。2011/01/28

酔いよい

13
池波さんの食と映画にまつわる思い出を綴った味わい深い一冊。「温飯(ぬくめし)と共に食べる鯛の刺身ほど旨いものはない」と池波さん。こんなことも仰る。「家で鯛の刺身をやるときは、生醤油へ良い酒を少し落とし、濃くいれた熱い煎茶へ塩をつまみ入れたのを吸物がわりにして御飯を食べる」と。う~む、これはちょっと真似をしてみたくなった。本文中の池波さん自筆の挿絵も素敵だ。それに表紙絵も。フライパン片手に睨みをきかせるコックの顔がなんと往年の時代劇スター大河内傳次郎の丹下左膳!(笑)池波さんの遊び心が窺えて楽しくなる。 2015/01/30

むつき

6
前半が食の、後半が映画の、文字通り歳時記になっている。挿絵もカバーの絵も味わい深く(なんと池波正太郎氏自身の手によるもの!)、実に洒落た一冊だ。特に登場する食事が美味しそうなんだが、格段に珍しいものとか高級なものとかでなく、ごく普通の料理なのがかえって「へえ~」って感じ。で、今度、湯豆腐をするときは、大根の細切りを入れてみようとか…思ってしまうのである。2015/05/16

東森久利斗

3
”味”と”映画”、池波正太郎の好きなもの、人生そのもの。どちらも魅力的だが、”味”のほうが池波正太郎の趣味嗜好や拘りを、身近に感じることができる。四季折々の風習にまつわる淡い記憶、ノスタルジックな邂逅。ファストフードでは、味わえない奥深い繊細な味。2021/01/01

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