出版社内容情報
ポンペの帰国とともに江戸の医学所の頭取となった松本良順は、緊張した時局の中で不眠に苦しんでいる一橋慶喜の主治医となり、阿片を用いてこれを治す。一方、語学の天才・伊之助は「七新薬」という蘭方の医書を刊行するまでになったが、その特異な性格が周囲に容れられず、再び佐渡に逼塞する。また、赤貧のなかでポンペ医学を修めた関寛斎は、請われて阿波蜂須賀家の侍医となる。
内容説明
ポンペの帰国とともに江戸の医学所の頭取となった松本良順は、緊張した時局の中で不眠に苦しんでいる一橋慶喜の主治医となり、阿片を用いてこれを治す。一方、語学の天才・伊之助は「七新薬」という蘭方の医書を刊行するまでになったが、その特異な性格が周囲に容れられず、再び佐渡に逼塞する。また、赤貧のなかでポンペ医学を修めた関寛斎は、請われて阿波蜂須賀家の侍医となる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雪風のねこ@(=´ω`=)
137
ポンペが去って14代将軍家茂が亡くなる所まで。外国列強の影が垣間見える中で、薩長や旗本譜代各藩の思惑が蠢き、幕府の実体がもう既にボロボロになっている事が知られて行く。健全な身体が蝕まれやがて病を発する過程の様に思える。家茂の看病で眠る事が許されない良順が、家茂の布団で一緒に寝る事になったのは、相当肝の冷える事であったろう。家茂の心根も痛い程判るのだが。医療とはそういった矛盾の果てにある様に思える。だからこそ病に罹らない、予防が一番なのだと説くのであろう。2017/12/02
むーちゃん
116
将軍家茂の死。新撰組との関わりあい。幕末の佳境に近づいていく。 さあ、どうなる。4巻へ。 2020/02/25
優希
74
ポンペが帰国したことにより、良順との医学の日々は終焉を迎えます。その後、徳川や新選組の医師となるのが、その力量を買われたということでしょう。幕末の動乱の中に巻き込まれていく良順。奥医師としての地位が与えられたとも言えますが。一方の伊之助は蘭方医書を出版するも佐渡に逼塞せねばならないのが辛いところです。次巻で最後。蘭学は何を見せるのでしょう。2018/12/30
さつき
74
ポンペと良順の長崎の日々が終わります。すぐに奥御医師同士の政争が始まり、純粋に医学のために奮闘した日々が懐かしくなります。徳川家茂、徳川慶喜の側近くに仕えることになったり、新撰組との関わりも生まれ、時代が動いていくのを感じます。この巻は伊之助に割かれた分量が少なめなせいか、すごく読みやすかったです。2018/04/12
koji
64
本作には、松本良順と幕末の偉人達の交流が描かれますが、無味乾燥な教科書的羅列ではなく、人間くさいエピソードが溢れ全く読み飽きません。例えば①一橋慶喜の「極度の不眠症」を阿片で治したり、②新撰組近藤勇と義兄弟の盃を交わしたり、③病が高じた14代将軍家茂の寝床に同衾したり、司馬さんは、このような史実(当然司馬さんは、その背後にある時代性に踏み込んでいますが)の重要性を教示してくれます。また江戸、京都だけでなく、平戸、阿波、佐渡等地方の営みも十分目配りされており堪能しました。それにしても阿波の農奴の存在には吃驚2022/05/14