感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kira
5
図書館本。江戸時代初期、剣によって身を立てようとした者たちを描いた中短編六篇がおさめられている。各話はもちろん面白いのだが、「刃士丹後」がどうしてもひっかかる。この作品が書かれた昭和三十年代には問題はなかったのだろうが、これを今の時代に『剣鬼』という作品集におさめるのは、どうなんだろうか。差別的表現に対することわり書きだけですむのだろうかと、疑問に思った。後味の悪い読後感は久しぶり。 2021/05/03
パロンヌ
4
これを映画化可能だった時代が羨ましい。どのアクションも人間を超えている。時代劇はなるべく色々な作家を読んでいきたいのだが、暫く柴田錬三郎に傾倒してしまいそうだ。俺TUEEE系の小説を書きたい方に、おすすめです。2015/10/15
OHモリ
3
●誰の言葉かしらないけど帯に書いてある「剣に禅なし ただ斬るのみ」ってカッコいい!「硬派」な短編6つ、もちろん本当はそういう心境に至るまでの各剣士の物語があるわけです。 〇「けだし、刃の字は、忍の下から心をとり去った意味に相違ない。非情を旨とする忍法から、さらに心を滅却したとすれば・・・」「(刃士丹後」・・ストーリー的にはカムイに似ている) ●6編の中で「通し矢勘左」だけは帯の言葉や全体のニヒルな印象と違う作品で心に残った。というのも、笠寺や呼続、裁断橋と姥堂などご当地のことが書かれていたことも大きい2014/10/26
スターリーナイト
1
2021-342021/04/22
辺野錠
1
全体的に殺伐とした話であったので『通し矢勘左』の毛色の違いが印象に残った。そんな話の中でも『刃士丹後』の一際殺伐としまくった雰囲気が強烈であった。『人斬り斑平』も 面白かった話。2018/05/23