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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
zero1
416
今読んでも斬新！九つの短編を収録。デビュー作とは思えない高品質「二銭銅貨」は暗号合戦と結末の意外さ。「D坂の殺人事件」では若き日の明智小五郎が登場！「心理試験」と「屋根裏の散歩者」にも出てくる。心理的に犯人を追いつめる手法が明智らしさ。「赤い部屋」は完全犯罪の話。推理とともに「鏡地獄」の狂気と「人間椅子」の気持ち悪さも乱歩の特徴。「芋虫」は戦時中、発禁となった作品。反戦の意図はないと乱歩は述べていたが、読めば兵士の士気も下がる。世に傑作と呼ばれる本は多いが、本書はまさに傑作。読む価値あり！2018/12/21
れみ
383
本好きだけど読んだことのなかった乱歩作品に挑戦。作品名だけは知ってた「D坂の殺人事件」や「屋根裏の散歩者」が読めて良かった。個人的に面白いと思ったのは「心理試験」と「人間椅子」かな。最後の「芋虫」は…惹きつけられるものはあったけどグロすぎた。けどどこかで知ってる話だなと思ったら寺島しのぶさん主演の映画「キャタピラー」のモチーフになってたのね。2013/04/29
nobby
374
ビブリア4巻読んで、これは読んどかないと(笑)小学校高学年でルパンシリーズと一緒に長編はたくさん読んだ記憶が。短編はほとんど初読みだけど、その発想たるや恐ろしい！『人間椅子』は思ったよりあっさりで、『鏡地獄』が恐い。そして『芋虫』の存在感たるや…こうなると、怪人二十面相シリーズとかの長編と読みたい。図書館の子供コーナー行ってみるか(笑)2013/04/03
康功
319
簡潔な情景描写に、どんどん引き込まれていきます。探偵事務所に勤めていたのも頷けるストーリー展開に、読書を止めることがなかなかできない読者も多いはず。短編集で良かったぁ、、、しかし、しかし、最後の芋虫は、怖かったです。 余韻の残る読後感は、やはり エドガー・アラン・ポーと 同じですね。2016/07/08
bookkeeper
221
★★★☆☆ 初読。「二銭銅貨」途切れたり断片になったりの「南無阿弥陀仏」が繰り返される暗号解読モノで、「ビブリア古書堂」でも紹介された。 「心理試験」殺人を犯した男は、捜査で使われる心理テストをパスできるのか。子供の頃、少年探偵団シリーズを楽しんでいたらこれを読んで、急に大人っぽい話しで驚いた(笑)思い出の短編。 他にも「鏡地獄」「人間椅子」「屋根裏の散歩者」等、乱歩の代表作が詰まった大変お得な短編集。背徳や歪んだ欲望に惹きつけられてしまう暗い情念と、でも何処かのどかで無邪気な作風が魅力的。 2018/11/03
