新潮文庫<br> 冬のひまわり

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新潮文庫
冬のひまわり

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  • サイズ 文庫判/ページ数 168p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784101147222
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みも

41
深閑とした寺の風情ある佇まいと、サーキットに響き渡る轟音との対比の妙。古典的とも言える正統派浪漫小説。思い違いとすれ違いにより分岐した過去のプラトニックラブを、逡巡や葛藤を抱えつつも貫徹しようとする男女。鈴鹿サーキットに凝固した想い出が頼りの、明確な約束とも言えない暗黙の約束の場所がキーワード。誤解を恐れずに敢えて言うなら昭和版『冷静と情熱のあいだ』二人の愛が盲目とも言える純粋な暴走をする一方、麻子の堕胎も自らの傍惚れも甘受した上で彼女の存在を受容する、寛容な良介の芯の強さと包容力に男のあるべき姿を見る。2017/03/20

びわこっこ

17
五木寛之氏による、昭和の色濃い恋愛小説だ。季節の流れに背を向けて、ひっそりと自分だけの夢を描き続ける、冬のひまわりのような、自己抑制の物語。20年間続いた、鈴鹿の8時間耐久レースの日、一年に一度の麻子と透の逢瀬。それは、透がメインスタンドで暑さに倒れ、逢うことが叶わなかった日に終わる。鈴鹿から帰った麻子を、懐中電灯を持った、夫の良介が迎えに来てくれていた。夫が何も言わず涙を流す姿に、麻子は、もう何処へも行かないと決意する。麻子には赤ちゃんができたのだった。2022/10/09

ふみえ

7
平野さんの"マチネの〜"もそうだったが、出逢ってしまったら大変だ。麻子が違う選択をしたらどうだったのか、幸せになれたか、想いを巡らせた。2017/10/01

イタリアンでこちん

4
恋がしたいフェス『不倫』編16:スプリント・レース(最速):一定の周回をより短い時間で、誰よりも速くゴールを駆け抜けた者がウィナーの競争。反対のエンデュランス・レース(耐久):一定の時間をより遠い距離を誰よりも長く走り続けた者がウィナーの競争。まるで男と女そして、青春と人生をモチーフにしている様だ。二十年の歳月をかけた耐久レースのゴールはある夏の日の午後七時半。ウィナーは?男か女か?そんな次元の物語では無い。どちらのレースも男女の恋愛の一つの形であろう。続2009/11/17

ぎゃり粉(ぎゃりこ)

3
おもしろかった。序盤はさわやかめな青春の雰囲気があり、終盤は覚悟を問う緊張感でつい早くページをめくろうと気が逸る。読みやすい文章と手頃な長さもよかった。 が、好きな話ではなかった。主人公らが軒並み奔放な割に煮え切らないしお互いがお互いを自分自身も含めて試し合うような関係でイラつく場面が多かった。2021/12/06

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