内容説明
闇にねむる仁徳陵へ密やかに寄りつどう異形の遍路たち。そして、霧にけむる二上山をはやてのように駆けぬける謎の女…。脈々と世を忍びつづけた風の一族は、何ゆえに姿を現したのか?メルセデス300GDを駆って、出生にまつわる謎を追う速見卓の前に、暴かれていく現代国家の暗部。彼が行く手に視るものは異族の幻影か、禁断の神話か…。現代の語り部が放つ戦慄のロマン。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
150
五木さんが休筆されたあとの雑誌に連載されたもので伝奇小説的な要素がありそれまでの小説とは少し趣が変わっている気がしました。私の大好きな奈良の二上山などが出てきて、「サンカ」と呼ばれる人々を登場させて古代との絡みを意図した作品だという気がしました。多くの資料を読まれている割には少し物足りなさが残りました。2015/12/14
ehirano1
102
「プリンセストヨトミ(万城目学)」系でした。 古代史を絡めた小説はロマンがあってホントに良いですね。膨大過ぎる参考文献の数から察するに、一族の方々は存続しているのではないかと思いました。 尚、二上山は今すぐには行けなくとも、グーグル先生で写真くらいは見ておいた方が物語をより楽しめると思います。 2019/08/18
レアル
51
二上山を飛ぶように駆け抜ける謎の女から始まる物語なのだが、その物語よりもバックグラウンドとなる歴史背景の方が楽しめたそんな物語だった。また「フタカミ講」「へんろう会」とワクワクするワードが満載で、かつライトなタッチで描かれている事もあり読み手が止まらずあっという間に読了。2021/06/16
はらぺこ
34
仁徳稜、二上山、葛城山、金剛山、屯鶴峯、竹内街道、自分が馴染のある場所が出てくるとイメージし易いしテンション上がる。できることなら全て関西を舞台にしてほしかった。話は好きやったけど尻すぼみに感じた。仏門の数を数える時の隠語はいつか使ってみようと思った。2017/03/01
GaGa
34
あれれ~結構駄目かもこれ(苦笑)と言うか話始まりで終わってないかい?そこまでに至るプロセスはいいだけに、思いっきり消化不良。まあ、作者が言わんとしたいことはなんとなくわかるし、もともとエンターテイメントの作家ではないから致し方ないが、それでもいい落としどころはあるはずで、そう考えると力一杯の駄作と言い切ってしまってもいい気がする(暴言?)2012/10/02