内容説明
ユダヤ教徒のパウロはキリスト教弾圧のためにダマスコに赴き、そこで劇的な回心をとげる。以後、彼はキリスト教の伝道に生涯を捧げるが、それはまさに荊の道であった。いたましくも凄絶な苦闘の中から生まれたパウロの言葉は、二千年を経てますます新鮮に我々の胸を打つ。―作家でありキリスト教徒である著者は、光り輝くパウロの言葉をいつくしみをこめて説き明かす。
目次
180度の心の転換
この苦しみに満ちた現世
正しいものはいない
捉えられた人間の自由
いかなる人をも使う神
人間の感情を超えて
暗闇の光
差別を超えて
パウロの戦略
幸福にふさわしい人間
死を恐れない秘訣
幸福の実感〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かおりんご
38
曽野さんの解釈が多々入っているけれど、パウロを身近に感じられるようになりました。聖書だけではなかなか読み取れない真意が伝わるというか。聖書の箇所と読み比べながらだと、もっと考えが深まったかな。神は、正義の裁きをするのではないというのが、ショックであり、なるほどと思うところでもありました。聖書のパウロの手紙を読み直したら、もう一度この本を読んでみよう。2017/02/05
あや
3
20代の時に愛読した心の処方箋のような書物。2020/10/21
snoringdog
0
パウロの理解…パウロの残した数々の文書の深い意味を理解していく最初の手助けになると思います。曽野綾子さんの、「それ以外にどういう生き方をしたらいいというものでもないから、そうするのがいいのだ、と納得するようになった」という一文が印象的だった。2013/03/13