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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
114
東北の温泉のある村を舞台にした小説。東京からそこへ引っ越してきた少年の勇太は、座敷わらしたちと友達になることで、田舎の生活に馴染んでいく。物語を彩る座敷わらし達の存在が素晴らしくて、夢中になって読んだ。彼らは民話的で無邪気な存在なのだが、東北の哀しい歴史を背負っているのだ。座敷わらし達が登場すると物語が幻想的な色合いを帯びて、物語の中にぐっと引きこまれる。お寺の鐘の音に乗って、遠くへ旅する場面などは読んでいてわくわくした。またいつか再読して、座敷わらし達にぜひ会いたい。2016/11/06
はつばあば
71
読み友さんのレビューで、娘が小学生の頃読んでいたのを思い出しました。間引きの意味も知らず座敷わらしに魅かれて読んだ事でしょう。娘が私より上手に子育てをしているのは小さい頃から読書数が半端じゃなかったからかも。「お母さん、戸を開けて」と云う言葉は今も使われてる。昔は飢饉が間引きを。今は若すぎる愛が別れをもたらしたり、母親としてのストレスや寄る辺ない孤独や不安から・・また悲しい事に虐待などで子供の命が失われている。座敷わらしはユーモアに包まれたメルヘンの世界だけでいて欲しいのにまだまだ辛い現実がある。2016/10/11
ぶんこ
68
劇団四季の宣伝だけ見ていた時には「ユタ」が異国の名前で、日本の東北の物語とは思いもしませんでした。東北で有名な座敷童子が(間引きされた子)の事だとも知らず、著者ご自身が(間引き)されかかった子供だったと解説に有り、この作品が著者の手になったことが不思議だったのが納得に変わりました。ペドロ達が洗濯する場面だとか、(お母さん、戸を開けて)という言葉に、親を思う気持ちが溢れていてウルウルきました。ユタが身体を鍛えていき、自信を持てるようになってきた時にはペドロ達とのお別れがありました。ペドロ達の逞しさが救い。2016/01/30
はる
64
長年愛されている作品です。私自身は久しぶりの再読。父親を亡くしたばかりのひ弱な少年が、母の故郷の山あいの村にやってきます。そんなある日、不思議な座敷わらしと出会うのですが…。のんびりとした明るいタッチ。懐かしい田舎の牧歌的な日常がいい感じ。座敷わらし達の悲しい記憶も、物語を深いものにしています。2016/01/18
ねむねむあくび♪
59
本友さんにお借りした本♪少年の成長が眩しくて頼もしい。座敷わらしたちとの関わりも勇太だから出来たと思う。誰にでも訪れた出来事ではない。少年勇太の行動力と賢さと優しい気持ちが有ればこそ。座敷わらしの出生の秘密は哀しいけれど、勇太の座敷わらしたちへの優しさに感動しました。今の子供たちにもあると思いたいな…。2013/07/18