内容説明
彼女はもういないのかと、ときおり不思議な気分に襲われる―。気骨ある男たちを主人公に、数多くの経済小説、歴史小説を生みだしてきた作家が、最後に書き綴っていたのは亡き妻とのふかい絆の記録だった。終戦から間もない若き日の出会い、大学講師をしながら作家を志す夫とそれを見守る妻がともに家庭を築く日々、そして病いによる別れ…。没後に発見された感動、感涙の手記。
著者等紹介
城山三郎[シロヤマサブロウ]
1927‐2007。名古屋生れ。海軍特別幹部練習生として終戦を迎えた。一橋大卒業後、愛知学芸大に奉職、景気論等を担当。1957年、『輸出』により文学界新人賞、翌年『総会屋錦城』で直木賞を受け、経済小説の開拓者となる。吉川英治文学賞、毎日出版文化賞受賞の『落日燃ゆ』や『毎日が日曜日』等、多彩な作品群は幅広い読者を持つ。2002年、経済小説の分野を確立した業績で朝日賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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