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新潮文庫
運を天に任すなんて―人間・中山素平

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  • サイズ 文庫判/ページ数 236p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101133270
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0195

内容説明

「財界の鞍馬天狗」「日本の羅針盤」の異名をもつ中山素平は、日本の経済復興を語る上で欠かせない銀行マンである。GHQの興銀無用論を突っぱねて興銀中興の祖となり、海運業界の再編、山一証券への日銀特融、八幡・富士製鉄の合併など、難事解決にあたり名を馳せた。辛辣な発言、粘り強い交渉と巧みな根回し。リーダーが備えるべき人心掌握の術を豊富なエピソードで描く傑作評伝。

目次

1 寮歌嫌い
2 転勤また転勤
3 命がけの出張
4 降格人事、不遜な人事
5 「副頭取は困る」
6 鬼か留守居役か
7 後継者人事
8 世の中への出向
9 相談役の真価
10 粋な冗談

著者等紹介

城山三郎[シロヤマサブロウ]
1927(昭和2)年、名古屋生れ。海軍特別幹部練習生として終戦を迎えた。一橋大学卒業後、愛知学芸大に奉職、景気論等を担当。’57年、『輸出』により文学界新人賞、翌年『総会屋錦城』で直木賞を受け、経済小説の開拓者となる。吉川英治文学賞、毎日出版文化賞受賞の『落日燃ゆ』や『毎日が日曜日』『もう、きみには頼まない』『指揮官たちの特攻―幸福は花びらのごとく―』等、多彩な作品群は幅広い読者を持つ。2002年(平成14)年、経済小説の分野を確立した業績で朝日賞を受賞
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まつうら

19
中山素平はどこにでも顔を出すので「財界の鞍馬天狗」なんて異名があるが、神出鬼没というよりも顔が広いので、いろいろな人とお付き合いがある。 興銀の頭取になって以降は、日本の産業振興のために活動しており、重要案件には必ず関わっていた。でも、重要案件で中山が何かを決めたのではなく、決めたのは田中角栄だったり永野重雄だったりなので、巷で言われるほどすごくはないなという印象。しかし、一万田日銀総裁が反対していながら、川崎製鉄の千葉製鉄所建設資金の融資を決めたのは中山自身の英断で、このエピソードは素晴らしいと思った。

ひと

11
数年ぶりの城山本。興銀でキャリアを積んだ中山素平氏の物語。城山氏が取り上げる人物に共通する魅力は何か?と考えながら読んでみたが、一つには覚悟が大きな気がする。維新や戦争等で生命の危機を経験していることからくる職務・使命に対する覚悟に、戦後の現代を生きる自分との大きな差を感じた。自分はどんなに忙しくても銃を置いて家に帰って休みたいタイプ…。特に戦後の日本経済で気付いたのは、政官財の関係の強さ。色々なプロジェクトが民だけでなく、官の支援も受けており、左寄りの政策で復興してきたのだなと感じた。2023/05/06

Willie the Wildcat

11
戦後の経済復興に貢献。特に、当時の主要産業界での合併を主導した方、程度の知識であった。いやはや”骨”がある!(偉そうにすみません。)常に国家と人柄を見据えた上での一貫した言動。軸がぶれないところが気持ちいい。印象深いのは「アラビア湾ての鉱区取得権利」。政治家以上に国家を考えている。同時に人身掌握はもちろん人財育成、というリーダーシップ面も兼ね備える。ご自信の戒名が氏の人柄を表している気がする。繰り返しですが、気持ちいい。さて、現代を振り返り政財界、特に政界はいかがなものか・・・。(汗)2012/05/25

うた

5
城山三郎が書く評伝を読むと、仕事を頑張ろうという気持ちになる。本書もそうで、興銀頭取を勤めた中山素平の一代記。粘り強く、理念と理論に裏打ちされた仕事ぶりはわくわくさせるものがある反面、私生活への言及がほぼないので、『もう、きみには頼まない』よりもやや人物像の奥行きに物足りなさを感じたりもする。2024/04/28

kurosuke

4
上司の推薦もあり、久々に城山三郎さんを読みました。財界の鞍馬天狗こと中山素平さんをまとめた本ですが、何はともあれ問題とあれば乗り出していき、解決する姿尊敬に値します。自分が上司になった場合に参考にしたいと思います。それにしても、しつこさを持って徹底的に考え抜く大事なことですねぇ。2012/12/20

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