新潮文庫<br> 流れる (改版)

個数:
電子版価格
¥605
  • 電書あり

新潮文庫
流れる (改版)

  • ウェブストアに3冊在庫がございます。(2024年04月25日 12時39分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ 文庫判/ページ数 299p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101116020
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

梨花は寮母、掃除婦、犬屋の女中まで経験してきた四十すぎの未亡人だが、教養もあり、気性もしっかりしている。没落しかかった芸者置屋に女中として住みこんだ彼女は、花柳界の風習や芸者たちの生態を台所の裏側からこまかく観察し、そこに起る事件に驚きの目を見張る…。華やかな生活の裏に流れる哀しさやはかなさ、浮き沈みの激しさを、繊細な感覚でとらえ、詩情豊かに描く。花柳界に力強く生きる女性たちを活写した幸田文学を代表する傑作。日本芸術院賞、新潮社文学賞受賞。

著者等紹介

幸田文[コウダアヤ]
1904‐1990。東京生れ。幸田露伴次女。1928(昭和3)年、清酒問屋に嫁ぐも、十年後に離婚、娘を連れて晩年の父のもとに帰る。露伴の没後、父を追憶する文章を続けて発表、たちまち注目されるところとなり、’54年の『黒い裾』により読売文学賞を受賞。’56年の『流れる』は新潮社文学賞、日本芸術院賞の両賞を得た。他の作品に『闘』(女流文学賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 2件/全2件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

101
戦後、雨露を凌げる場所を求め、花街で住み込みを始めた梨花さん。しかし、そこは華やかなイメージを裏切るかのような懶惰の伏魔殿であった。鼠が這い回り、病気の犬が死ぬまで放って置かれ、税務署が立ち入り検査に入るまで会計はちゃらんぽらんにされ、海千山千の女たちは汚部屋でだらしなく、過ごしているという女性の生活のリアルさが大変、厭らしいです。特に経血が染み付いた布団で寝るのが嫌で、新聞を敷く侘しさは何とも言えない。後、ちょっとしたことで仮病を使い、注目を集める不二子の姿は少女あるあるで悶絶。2018/12/17

優希

93
一見華やかに見える花柳界ですが、裏の真実を見たような気がします。没落しかかった芸者置屋に女中として住み込んだ梨花。彼女の目を通して語られる花柳界は哀しさや儚さを秘めていました。その繊細さがあるからこそ、美しい夢を抱かせることができるのが芸妓なのかもしれません。2018/04/19

アン

90
傾きかけた芸者置屋に住み込みの女中として働く梨花さん。彼女が花柳界で生きる女性達の悲喜こもごもを見つめた物語。梨花さんは、くろうとの芸妓達の締りのなさに驚いたり、若い娘の愚痴に同情したり、思慮深い女性であり、置屋での出来事が細やかな小気味良い文章で綴られます。華やかな世界の裏側に潜む悲哀を、昭和という懐かしい香りが包み、しみじみとした余韻があります。時代の移り変わりと人々の心の機微を、川の流れに重ねて捉えようとしたのでしょうか…。昭和の大物女優がずらりと並ぶ映画も観てみたいです。 2019/07/15

naoっぴ

90
儚くも美しい花柳界の話かと思ったら、どっこい業界裏方暴露話だった。くろうと芸者の表の顔からは想像もつかない普段の自堕落さ、しまりのなさ、てんやわんやの裏方日常はどこか滑稽で、それを見つめる女中・梨花の生来の気の強さもあってか痛快な物語になっている。そこかしこに散りばめられた擬態語に感覚が刺激され、おんなの世界が鮮やかに立ち上る。華やかな世界は浮くも沈むも振り幅が大きい。しなやかではあるが浮き草のような芸者たちに比べ、どっしり雑草のような根をもつ梨花に元気をもらえた一冊。2018/09/04

bookkeeper

84
★★★☆☆ 未亡人の梨花は芸者置屋の女中に職を得る。かつての名店は抱えの芸者も減りつつあり、凋落の気配を漂わせていた。  初日からほぼ説明もなくこき使われても、抜群の判断力で乗り切る主人公。目新しい情報の洪水を、人生の豊富さだと捉える強かさが凄い。失踪して名前しか出ない人、退職して荷物の搬出だけ登場する人、玉の輿に乗る人など芸者の行末は色々。和服の善し悪しに敏感で付届けなどの風習が残り、タクシーが行き交う街。犬猫の糞尿がちらばる家。昭和の中頃へタイムスリップする感じです。いつの時代も生きていくのって大変。2021/04/17

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/517390
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。