新潮文庫<br> ひかりごけ (改版)

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新潮文庫
ひかりごけ (改版)

  • 武田 泰淳【著】
  • 価格 ¥693(本体¥630)
  • 新潮社(1993/01発売)
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  • サイズ 文庫判/ページ数 288p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101091037
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

戦後文学の極北。酷寒の死か。人肉を喰うか。

雪と氷に閉ざされた北海の洞窟の中で、生死の境に追いつめられた人間同士が相食むにいたる惨劇を通して、極限状況における人間心理を真正面から直視した問題作「ひかりごけ」。仏門に生れ、人間でありながら人間以外の何ものかとして生きることを余儀なくされた若き僧侶の苦悩を描いて、武田文学の原点をうかがわせる「異形の者」。ほかに「海肌の匂い」「流人島にて」を収録する。

内容説明

雪と氷に閉ざされた北海の洞窟の中で、生死の境に追いつめられた人間同士が相食むにいたる惨劇を通して、極限状況における人間心理を真正面から直視した問題作『ひかりごけ』。仏門に生れ、人間でありながら人間以外の何ものかとして生きることを余儀なくされた若き僧侶の苦悩を描いて、武田文学の原点をうかがわせる『異形の者』。ほかに『海肌の匂い』『流人島にて』を収録する。

著者等紹介

武田泰淳[タケダタイジュン]
1912‐1976。東京駒込生れ。東大支那文学科に入学後まもなく、左翼活動で逮捕される。出署後、活動をやめ、東大も退学。1933(昭和8)年竹内好らと「中国文学研究会」を創設。’37年応召、’39年除隊。’43年『司馬遷』を刊行。’44年上海に渡り、’46年帰国後、旺盛な創作活動をはじめ、「蝮のすゑ」『風媒花』などを発表。’72年『快楽』で日本文学大賞、’76年『目まいのする散歩』で野間文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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藤月はな(灯れ松明の火)

102
「流人島にて」は復讐譚から社会からつまはじきにされる者達の慟哭が聞こえるような筆致に声を呑むしかない。「異形の者」は閉じられた空間へのリンチ事件を基にしているのが苦しい。同時に主人公が仏の像に告げた言葉に「神の存在性」に心が揺れてしまう。表題作は人を食べてからの船長が理智性を獲得していた事や「自分と同じく、人を食べた事がある人々に裁かれたいのです」と陳述した事が遣る瀬無い。そして裁き手や傍聴人に「人食い」の証である光の輪が見えていた事に生きているだけで人を傷つけ、搾取している我が身を省みらずにいられない。2017/11/18

YM

92
武田泰淳二作目。やはり「ひかりごけ」は衝撃的だった。吹雪の影響で難破した船が何とか陸地に漂着するも、極寒の地で食料はなく仲間は徐々に死んでいく。極限におかれた人間が、生き延びるために死んだ仲間の肉を喰らう。喰いたくない、喰わざるを得ない、喰われたくない、喰らいたい、様々な感情が交錯しながら何がタブーなのか考えさせられる。途中リアリズムを避け戯曲になる試みもおもしろい。変に生々しく表現するより主題がぶれなくて良いと思った。たまには答えが無いことを考えることも必要だ。2015/02/08

nakanaka

83
表題の「ひかりごけ」目当てで手に取りました。なんとも恐ろしい話ですが考えさせられる事件でもありました。極限状態での人間心理は実際に体験してみないと理解できないものかもしれません。途中から戯曲形式に突然変わるという一風変わった作品でしたが、事件の内実がより詳細に理解でき素晴らしいと感じました。実際に起こった事件をモチーフに描かれた作品とのこと。話が話しなだけに面白いというのともちょっと違いますね。他にも短編が三作あります。中でも「海肌の匂い」は面白かったです。2017/02/13

夜間飛行

74
「ひかりごけ」のみ再読。「天皇は生きろと言うはず」など人々が天皇中心に考える辺りに閉塞感がある。その中で「おらは自分のために喰った」という西川や、生きるため人食を厭わない船長は状況を突破する存在だ。最後にヒカリゴケの洞窟に似た法廷で、船長の顔は穏やかな知性を持つ中学校長になる…つまり、残忍な生命力の権化ではなく罪を一身に背負うキリストである。彼は光の輪が誰にも見えない(皆が人食をしていた)ことに驚き、皆を救うため「見なくちゃいけない」と叫ぶ。罪を自覚した男が、厚い壁のような民衆に呼びかける姿は悲壮だった。2014/03/19

コージー

65
★★★★☆実際にあった「ひかりごけ事件」。1944年日本陸軍の徴用船が真冬に難破。船長が、船員の遺体を食べて生き延びたという事件。小説では、難破時の4名の船員の会話と、船長救出後の裁判の様子が「戯曲形式」で描かれる。食人は理解しがたい行為ではあるが、自分が極限状態になった時にはどうだろう。倫理とは自己犠牲の上に成り立つのであろうか。【印象的な言葉】あなたに裁かれても裁かれたとは思えないと申し上げているんです。理由は、検事殿が、他人の肉を食べたこともないし、他人から自分の肉を食べられたこともないからです。2018/07/07

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