内容説明
ドブ掃除から映画館の席取りまで、なんでも引き受ける“なんでも屋大蔵”こと釘丸大蔵のもとに舞い込んで来る依頼の数々、浮気調査の報告書が盗まれた!猫が誘拐された!私は一体誰なんでしょう?…奇妙な依頼の背後に隠された意外な事件。飄々とした大蔵が、持ち前の行動力と鋭い勘、そして冴えた推理で次々と難問を解決する。ほんわかあたたかな連作ミステリー5編。
目次
浮気の合い間に殺人を
白雪姫がさらわれた
パンク・ロックで阿波踊り
尾行されて、殺されて
そんなに急いでどこへ行く
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヨーコ・オクダ
28
人様の道を外れるような仕事以外は何でも引き受けてくれる「なんでも屋大蔵」そのお仕事エピソードを5つ語ってくれている短編集。面白いのが、よくある探偵的な調査業は好みでないらしく断るくせに、最終的にはどれも謎解き仕事に繋がってしまう点。あと、人柄、語り口調がほんわかしている一方で、関わり合うことになる事件は結構シビアな犯罪やったり…。お気に入りは「尾行されて、殺されて」留守中のリスの世話を引き受けただけのはずが、尾行され、その尾行者が殺され、その死体が消失し、そしてその死体は依頼者で…と謎だらけ。楽しい♪2021/07/16
ゆう
0
(えー、NoImageなの!?)そんな新潮文庫版の解説は宮部みゆき。岡嶋二人をべた褒めなのであります。ガチミステリーではなく、世が世ならドラマ化されてもおかしくない感じ。起承転結よく纏まっており、人情味あり、名脇役あり、教訓あり、正統派な推理も楽しめる。2013/07/09
夏子
0
大蔵さんの語り口に引き込まれてしまいます。個性的で楽しいキャラが沢山登場したのに続きがないというのはもったいない。2013/07/02
hirayama46
0
落語家っぽい(ぼくは落語を聴いたことはほとんどないのですが……)語り口調でさらさらと語られて、さりげない伏線が上手い短編集。わりとほのぼのしながらも「日常の謎」にはならず、殺人事件に頻繁に巻き込まれております。/一見たいしたことのない猫さらいが意外な方向へ着地する「白雪姫がさらわれた」、これも意外なツイストを見せる「尾行されて、殺されて」がお気に入り。続きがいかにもありそうで、ないのが岡嶋二人らしいですね。2011/11/15
TTF
0
実は個人的には気分のアップ、ダウンをはかるバロメーターとなる作品。落ち込んだときに「パンク・ロックで阿波おどり」で笑えれば回復傾向にありという感じで。