新潮文庫<br> 〓東綺譚 (改版)

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新潮文庫
〓東綺譚 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 142p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101069067
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

愛の枯れる街で出会った、作家と娼婦、ふたり。私娼街・玉の井を舞台に描く、社会諷刺に満ちた荷風の最高傑作。

小説「失踪」の構想をねりつつ私娼街玉の井へ調査を兼ねて通っていた大江匡は、娼婦お雪となじむ。彼女の姿に江戸の名残りを感じながら。――二人の交情と別離を随筆風に展開し、その中に滅びゆく東京の風俗への愛着と四季の推移とを、詩人としての資質を十分に発揮して描いた作品。日華事変勃発直前の重苦しい世相への批判や辛辣な諷刺も卓抜で、荷風の復活を決定づけた名作。

内容説明

小説「失踪」の構想をねりつつ私娼街玉の井へ調査を兼ねて通っていた大江匡は、娼婦お雪となじむ。彼女の姿に江戸の名残りを感じながら。―二人の交情と別離を随筆風に展開し、その中に滅びゆく東京の風俗への愛着と四季の推移とを、詩人としての資質を十分に発揮して描いた作品。日華事変勃発直前の重苦しい世相への批判や辛辣な諷刺も卓抜で、荷風の復活を決定づけた名作。

著者等紹介

永井荷風[ナガイカフウ]
1879‐1959。東京生れ。高商付属外国語学校清語科中退。広津柳浪・福地源一郎に弟子入りし、ゾラに心酔して『地獄の花』などを著す。1903年より’08年まで外遊。帰国して『あめりか物語』『ふらんす物語』(発禁)を発表し、文名を高める。’10年、慶応大学教授となり「三田文学」を創刊。その一方、花柳界に入りびたって『腕くらべ』『つゆのあとさき』『〓(ぼく)東綺譚』などを著す。’52年、文化勲章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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新地学@児童書病発動中

139
私が熱愛する日本の小説の一つ。なぜそれほど好きなのかはっきりしないのだが、ここに描かれている日本的な情緒の世界に身を浸したくなることがあるのだ。プロット自体は割と単純で、老いた作家と娼婦の出会いと別れを四季の移ろいの中に描いてゆく。いつ読んでも感動するのは、荷風の底辺に生きる人たちへの優しい眼差しと、時代の流れに迎合しないで剛直に生きていこうとする孤高の精神だ。2015/08/16

優希

110
叙情的な作品でありながら、社会風刺も織り込んでいるのが面白いと思いました。作家と娼婦の出会いは愛の枯れている街の中で鮮やかな風景として際立ちます。江戸の名残り、2人の交情と別離は東京の風俗が滅びゆく中での愛着と四季の移り変わりの中で見事に活写されているように感じました。センチメンタリズムという言葉を使えば簡単ですが、そんな言葉で言い表せない愛の情緒を見た気がします。社会が重苦しい風潮にさらされている中での批判や風刺が辛辣なのが隠れたユーモアという味を出していると思いました。2016/08/28

bura

74
「あら、あなた。大変に濡れちまったわ。」私娼街玉の井を歩く老小説家大江匡に突然の夕立、傘をさす彼の元に駆け込んで来たのが娼婦お雪。それから小説の題材を求め、忍んで通う寺島町の溝際の家でお雪との日々が始まる。戦前、東京下町の風俗が濃密に活き活きと卓越した文体で四季を通じて描かれていく。淡々と二人の関係が綴られて行き、気がつけば私は玉の井の路地に佇み、それを見つめていた。ふわりと消えていく様な小さな交わり。美しい小説であった。「たまには昔の名作を読んでみる」2回目。とても良いことをした気持ちになりました。2023/08/31

NAO

73
再読。大江が書く小説『失踪』と彼が通う場末のお茶屋の光景。それぞれが放つ寂しげでけだるい雰囲気。哀愁や倦怠を帯びた男女の情交が、しっとりと描かれていく。そのしめやかな情交にひっそり寄り添うような季節の移り変わり。大江とお雪が出遭うきっかけになった俄か雨。溝近いお茶屋の夏の蚊のうるささ。残暑の頃の虫干し。落ち葉焚き。彼岸過ぎの台風明けの庭の様子。永井荷風の繊細な感性によって切り取られた日本の四季の、なんという美しさ。このどこか懐かしい風景、優しくも物悲しい情交を、一つの作品として残してくれた荷風に、感謝。2018/04/29

やきいも

72
昭和12年発表。小説家の主人公と娼婦のお雪さんとの淡い恋物語。昭和初期の東京の風景がみずみずしく描かれている。ベタかもしれないけど読んでて何だかせつなかった。ゆきずりの恋ってせつないよなあ。2016/12/31

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