内容説明
あのふわふわと柔らかいうさぎのように、いつもくっついているゆりとロバート。なんだか、そのうち、ひとつになってしまいそう。ふたりの胸は、息もつけないくらい恋しい気持ちでいっぱい。キュートなわがまま娘と涙腺のゆるい純情青年の恋は、愛のせつなさにオロオロ、ドタバタし、周囲を圧倒しながらも、ほんわかムードなのだ。
著者等紹介
山田詠美[ヤマダエイミ]
昭和34年(1959)、東京生れ。明治大学文学部中退。昭和60年『ベッドタイムアイズ』で文藝賞受賞。同作品は芥川賞候補にもなり、衝撃的なデビューを飾る。同61年『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木賞受賞。さらに、平成元年『風葬の教室』で平林たい子文学賞、同3年『トラッシュ』で女流文学賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
257
連作短篇集。物語は時間軸に沿って進行する。すべてゆりちゃんとロバちゃんの恋物語。一貫性があるといえばそうなのだが、ややマンネリ臭もしないではない。これまでに読んだ山田詠美の小説(本書で18作目)の中ではもっとも軽快であり、またある意味では軽薄でさえある。何故なら、ゆりもロバートも、ともに抱える悩みは常に表層的であり、刹那的であるからだ。もっとも、そこに山田詠美の韜晦を読み取ることは可能だ。このような形でしか、恥ずかしくって自らの恋を語れないのだろう。徹底した我儘(ゆり)と徹底した受容(ロバ)の恋がそれだ。2015/06/06
❁かな❁
176
【月イチ再読】めちゃくちゃ甘ーい♡こんなの大好き〜♡ゆりちゃん&ロバちゃんの可愛いやり取りにキュン♡お互いを「ゆーりちゃん」「ローバちゃん」と呼び合う♪2人だけの愛称*呼ぶ時に恋しい気持ちで胸がいっぱいになり、じんわり温かい気持ちになるってすごくわかる!大好きな人に特別な名前で呼んでもらえるだけで幸せな気持ちでいっぱいになるし自分も呼ぶだけでウルウルしてしまう♡ゆりちゃんはちょっと個性的だけど魅力的♪終始ラブラブな2人が可愛い♡久々で再読したけど本当に仲良しの2人が微笑ましく幸せそうで何度も涙が溢れた♡2018/05/18
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
72
両親が莫大な財産を遺してくれたおかげで自由気ままに生きられるけど、家族の温もりを知らずに育った日本人の女の子〈ゆりちゃん〉。同棲中の黒人米兵士〈ロバート、略して『ろば』〉とのコミカルな連作小説。作者の自伝的要素も入っている模様です。真面目で堅物な〈ろば〉に対し、シリアスになれないゆりちゃん。全編いちゃついているかケンカしているかの展開で「何だよ、このバカップルは」と最初は思いましたが、そこは作者の腕のさえ。随所にステキなフレーズが散りばめられ、【きわものカップル】は彼らなりのやり方で愛を育んでいくのです。2014/10/29
ワニニ
68
【再読】いいないいな♪こうやって結婚するのって理想。“あさ”の新次郎さんも夫の理想と思ったけれど、まずロバちゃんだね。昔は、いいなと思いながらも、バカじゃない? 子供じゃーないんだからって思っていた。分かっていなかったね。子供ってか野生が重要だったってこと。だから今は、ひたすらいいなーと思う。ゆりちゃん、ああ見えて色々あったらしいけれど、愛とか優しさとか理解し始めた感じ。ピュアな二人。双子な二人。うさぎな二人。顔が似ちゃう恐怖じゃなくて(@本谷有希子)、甘い甘い喜びを。オバちゃんにもロバちゃん必要。うん。2016/04/11
はらぺこ
54
えーっと、バカップル?チョット違うか?純真無垢?なんとなく自分はアラレちゃんとオボッチャマンくんカップルが思い浮かびました。 アホな二人やなぁと思う反面、アホな事が出来る相手がいる事が羨ましいってのが本音です。 ゆりは何歳なんでしょうか?二人の遣り取りを読んでると「~だーい」とか言うてるので淫行条例にひっかかる年齢かと心配してしまいました(笑)2011/12/08