新潮文庫<br> 雁 (改版)

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新潮文庫
雁 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 184p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101020013
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

貧窮のうちに無邪気に育ったお玉は、結婚に失敗して自殺をはかるが果さず、高利貸しの末造に望まれてその妾になる。女中と二人暮しのお玉は大学生の岡田を知り、しだいに思慕の情をつのらせるが、偶然の重なりから二人は結ばれずに終る…。極めて市井的な一女性の自我の目ざめとその挫折を岡田の友人である「僕」の回想形式をとり、一種のくすんだ哀愁味の中に描く名作である。

著者等紹介

森鴎外[モリオウガイ]
1862‐1922。本名・森林太郎。石見国鹿足郡津和野町に生れる。東大医学部卒業後、陸軍軍医に。1884(明治17)年から4年間ドイツへ留学。帰国後、留学中に交際していたドイツ女性との悲恋を基に処女小説「舞姫」を執筆。以後、軍人としては軍医総監へと昇進するが、内面では伝統的な家父長制と自我との矛盾に悩み、多数の小説・随想を発表する。近代日本文学を代表する作家の一人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

430
50歳前後の執筆だが、女性に心惹かれながら去ってゆくことや、回想記のスタイルをとっていることなど、鷗外の若き日の『舞姫』を想起させる。表題となった雁は、直接的にではないものの、やはりお玉の哀しい宿命といったものを表象するだろうし、そのことは翻って岡田の喪失感(おそらくこれは読者にも共有される)にも繋がるだろう。また、岡田を新しい時代に向けて飛翔してゆくもの、そして一方のお玉をそうした時代の躍動からは取り残されてゆく前時代の感傷と捉えることもできそうだ。「スバル」への連載は明治から大正への過渡期でもあった。2017/03/17

ykmmr (^_^)

162
まだ学生をしていてもおかしくない年齢の女性『お玉』が、金銭の為に『妾』という職種につき、『妾』という立場・周囲との落差・そして、通りすがりの学生(岡田)への密かな片思い。若い彼女の色々な『こころ』がある。『妾』の立場の若い彼女と、『本妻』であるお常のお互いへの理解感がまた切ない。この時代はまだ、『妾』的な職業の立場が、沢山いつつも、今よりも立場が低いから、10代でそれにつくなんて、余程のもの好きか訳アリとしか考えられないと思うけどね。岡田への密かな『恋』は、成熟どころか始まりすらせず、2022/03/07

小梅

140
この時代の医学生の生活がイメージできました。 なぜタイトルが「雁」?と思いながら読みましたが、そうでしたか…なるほど。2017/02/03

新地学@児童書病発動中

115
劇的なプロットではないのだが、深い余韻を残す作品だと思う。父のために高利貸しの妾になったお玉の淡い恋が描かれている。最近立て続けに読んだ夏目漱石との文体の違いを面白く感じた。漱石は話し言葉を土台にして、言葉に勢いがある。鴎外は話し言葉をそのまま使うのではなく、一つ一つの言葉をじっくり考えて使っている感じ。緻密で細部にまで注意を払って書かれた文章だ。結末近くで雁が殺されてしまう場面がある。この場面は、哀しく切ない。雁が象徴しているものを考えると、明治の女性の生きづらさが伝わってきた。2017/03/13

優希

112
哀愁漂うくすんだ色合いですし、盛り上がろうとすれば沈む繰り返しなのに情緒を感じずにはいられません。1人の市井の女性の描き方が憂いを漂わせているからでしょう。自分の意志を持たなかったお玉が恋をすることで自我が芽生えていきます。結局結ばれずに終わる恋が切なかったです。すれ違いや儚い恋心を死にゆく雁に例えたのが印象的でした。何ともいえない余韻と情緒を感じる物語です。2015/09/24

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