新潮文庫<br> 丘の上の向日葵

新潮文庫
丘の上の向日葵

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  • サイズ 文庫判/ページ数 331p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784101018171
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

平穏堅実な家庭生活を営む中年の会社員が、帰宅の途中、見知らぬ美女を家まで送るはめになり、そこで意外な事実を打ち明けられた。以前、たった一度、自分を相手に身体を売った時の子供が、いま高校生で身体に障害があるという…。女の美しさ妖しさに惹かれつつも、日常と非日常のあいだを揺れる男の内面を描いて、現代の性と家族のありかたに波紋を投じる、著者会心の長編小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あつひめ

45
女にはない、男の不安みたいなものを感じた。女は身籠れば相手は誰なのか察しはつく。男はもしかしたら自分の知らないところでわが子が育っているかもしれない不安と言うものを心の片隅で抱えているかもしれない?世の中にはそんな事を何とも思わずに生きている男が大半だと思うけど。夫婦はどうして会話が成立しなくなるのだろう。この家庭のように、答えを求めたら傷が深くなるから聞かない振りをして何食わぬ日常を過ごす事を選ぶのか。それが夫婦円満モドキの方法なのか。少し寂しくなった。振り回された兄妹モドキの二人の未来が気になる。2012/08/16

Nick

7
平穏な日常を送っていた研究技術者に起きた想定外の出来事。突然の息子の出現、美しい女性との邂逅。家族との選択。結果としては、破局には至らず。生きることの醍醐味を味わったんだと思う。これから、踏み込みなかったことを悔やむか、それとも家族を捨てなかったことを感謝するか、に関心がある。2021/01/13

桜もち 太郎

6
洗剤会社の研究員である男と結婚前に関係のあった女の不倫劇。山田太一のドラマにもなった物語。内容もやはりドラマの流れのようにスルスルと進んでいく。言葉のやりとりもドラマ的。自分の生活をかえりみるとドラマのようには行かない。劇的に不倫の相手に巡り会うってことはないよなぁ・・・。やっぱり小説・ドラマの世界だと思った。2014/08/28

ネギっ子gen

3
朝日新聞で連載され単行本に。その後氏自身で脚本化しドラマ化。TVではブルガリアン・ヴォイスを効果的に使用していたのが印象的だった。文庫本は、解説が河合隼雄先生だったので、即購入。「日常の生活をかっちりと生きている人間が、途方もない非日常に引き込まれる」「性の背後には宗教性がある。性を受け入れるにしろ、拒否するにしろ、人間存在の深みへとたじろぐことなく下降してゆくことを強いるものがある。しかし、そうするには荷が重すぎた孝平と芙美は性関係をもってしまう。最後には、向日葵が残される」とは、河合先生の見事な要約。2019/10/10

rymuka

2
読書録あり → http://rymuka.blog136.fc2.com/blog-entry-106.html2024/02/25

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