新潮文庫
THIS IS JAPAN―英国保育士が見た日本

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  • サイズ 文庫判/ページ数 288p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101017518
  • NDC分類 366.021
  • Cコード C0136

内容説明

やけくそのパワーで労働者階級が反乱を起こす英国から、わが祖国へ。20年ぶりに著者は日本に長期滞在する。保育園で見た緊縮の光景、労働者が労働者に罵声を浴びせる争議の現場、貧困が抜け落ちた人権課題、閉塞に穴が開く奇跡のような場所…。これが、今の日本だ。草の根の活動家たちを訪ね歩き、言葉を交わす。中流意識に覆われた「おとぎの国」を地べたから見つめたルポルタージュ。

目次

第1章 列島の労働者たちよ、目覚めよ(キャバクラとネオリベ、そしてソウギ;何があっても、どんな目にあわされても「働け!」 ほか)
第2章 経済にデモクラシーを(経済はダサくて汚いのか;貧乏人に守りたい平和なんてない ほか)
第3章 保育園から反緊縮運動をはじめよう(保育士配置基準がヤバすぎる衝撃;紛れもない緊縮の光景 ほか)
第4章 大空に浮かぶクラウド、地にしなるグラスルーツ(日本のデモを見に行く;交差点に降り立った伊藤野枝 ほか)
第5章 貧困の時代とバケツの蓋(川崎の午後の風景;鵺の鳴く夜のアウトリーチ ほか)
エピローグ カトウさんの話

著者等紹介

ブレイディみかこ[ブレイディミカコ]
1965(昭和40)年福岡生れ。県立修猷館高校卒。音楽好きが高じてアルバイトと渡英を繰り返し、’96(平成8)年から英国ブライトン在住。ロンドンの日系企業で数年間勤務したのち英国で保育士資格を取得、「最底辺保育所」で働きながらライター活動を開始。2017年『子どもたちの階級闘争』で新潮ドキュメント賞を、’19(令和元)年『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』でYahoo!ニュース|本屋大賞2019年ノンフィクション本大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

496
ブレイディみかこさんの1か月に及ぶ帰国記。キャバクラの争議、デモへの参加、保育園の見学、ドヤ街へもと実に精力的に日本の(ある意味での)先端を動き回っている。新自由主義と緊縮財政は現代世界に共通する現象。もちろん、日本もまさにその真っただ中にいる。にもかかわらず、イギリスに暮らす彼女からすれば奇妙なことも多い。日本の人たちの"中流"幻想がその最たるものか。この本を読んでいると、日本に真の意味でのデモクラシーは望めないのかという思いに挫けそうになるが、エピローグの「カトウさんの話」には救われたような気に。2020/04/23

rico

154
日本が既に「豊かな国」でなくなっていることは様々な指標が示しているし、裏付ける事象も多いけど、きちんと向き合えていないように見えるのは、多くの人が一億総中流の幻の中にいるせいか。だから声を上げる人たちに近い立場の人ほど彼らを排除し、自分が安全な場所にいることを確認する。著者は、このやりきれない状況が起こっている現場に飛び込む。労働者の反乱がしばしば起こる英国に暮らす彼女には、この歪みはよく見えている。制度や法に疑問を持つのではなく、適応することを選ぶ多くの日本人。でも、そろそろ限界じゃないだろうか。2021/02/16

ぶち

110
『ぼくはイエローでホワイトで....』のブレイディみかこさんが日本に滞在して、草の根の活動家たちを訪ね歩いた見聞記です。英国で暮らす著者が、実際に自分が目撃したものだけを書いた記録は、日本人には気づき難い日本の現実の姿を見せてくれます。未だに日本人の9割が自分は中流だと思っている現状では、自身が既に貧困であること、下層に位置して生きていることを、その中流意識が覆い隠してしまっています。生活に困窮することは人間失格と決めつける風潮はやはりおかしいです。そろそろ声を挙げるときが来ているのではないでしょうか。2021/08/24

速読おやじ

101
日本の貧困問題にフォーカスしたルポ。超左翼っぽいスタンスを取らずに、軽やかに描く。流石はブレイディさん。分かりやすく、決して暗くならず、どちらかを一方的に断罪するわけでもなく滑らかな文章が続く。上意下達ではないグラスルーツの運動の重要性を説く。ブレイディさんはミクロ(地べた)をマクロ(政治)に持ち込めと言う。憲法9条とかエネルギー問題も重要なんだけど、貧困に喘いでいる人々を助けるのは最重要課題なのではないか。この問題を隠してはいけない。もはや一億総中流ではないのだから。2022/04/16

佐島楓

94
日本では、人権や貧困問題、政治批判を考える教育の機会が与えられていないという指摘は本当にその通りだと思う。機会がなければ、考える素材も持てないし、問題意識を発展させることさえできない。すべてがすべてそうだとは限らないけれど、上からだけではない教育に光を当て、広げていかなければいけない時期に来ているのか。2020/01/04

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