新潮文庫<br> 彼岸過迄 (改版)

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新潮文庫
彼岸過迄 (改版)

  • 夏目漱石
  • 価格 ¥605(本体¥550)
  • 新潮社(2010/08発売)
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  • サイズ 文庫判/ページ数 329p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101010113
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

現代の愛の不毛はこの作品からはじまった。自意識が強く内省的な男と、自由で積極的な女。漱石の男女観を見事に結実させた恋愛小説。

誠実だが行動力のない内向的性格の須永と、純粋な感情を持ち恐れるところなく行動する彼の従妹の千代子。愛しながらも彼女を恐れている須永と、彼の煮えきらなさにいらだち、時には嘲笑しながらも心の底では惹かれている千代子との恋愛問題を主軸に、自意識をもてあます内向的な近代知識人の苦悩を描く。須永に自分自身を重ねた漱石の自己との血みどろの闘いはこれから始まる。

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1 ~ 3件/全3件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のっち♬

162
修繕寺の大患と周囲からの孤立を経て著者は原点である写生文にたち帰ることに。その内容は恋愛や親子関係をガジェットに内向的な青年の苦悩を遠景的眼線で描くという自己分析的なもの。浪漫趣味の聞き手が善悪に無関心な探偵という点も彼らしい。自然派にも浪漫派にも背を向けた"自分が自分である"宣言は作品のテーマとも密接な関係にある。須永の違和感は時代状況、恋愛・親子関係に整理を試みても解消される気配が見られず、実存的なものへと遡行していく。「考えずに観る」ことは神経症が児戯的所作となって現れた人間なりの再生への第一歩だ。2022/12/19

優希

156
短編のような形をとりながら、長編小説として成り立っている、雑文的な小説という印象を受けました。軸になるのは自意識の強い内向的な須永と自由で積極的な千代子の恋愛模様。こういう男女の関係は現代にも通じるような気がしました。主人公と語り手が別になっているのも面白いところです。敬太郎を語り手にすることで、少し突き放した視点だからこそ、煮え切らない恋愛模様を味わうことができるのだと思います。高等遊民ならではの苦悩は答が出ない不器用さを感じました。これは新しい日本人としての姿なのかもしれません。2015/10/06

まさにい

153
明治時代の高等遊民の悩み。これが漱石の多くの小説の主題のようだ。文明開化とは、資本主義的合理主義のこと。これを上滑りに理解して出世、拝金主義に走れば悩みはない。しかし、これを本当に理解しようとすれば、日本人の持っている感覚(感性というのか美徳というのか)と合わず、悩むことになる。漱石に出てくる多くの高等遊民の悩みは後者ということになる。この時代の高等遊民はそれなりの資産があるからいいが、現在の高等遊民は、高等貧民である。しかも資本主義自体に疑問がある時代において、自我を通して生きていくのは辛いものがある。2016/11/05

Kajitt22

118
修善寺の大患後の漱石は、余裕が出てきたのか言い訳から書き出している。連作短編集構想はまさにその通りで、一長編として十分楽しめた。探偵としての尾行劇、登場人物の種明かし、海辺の避暑地での出来事、終局での深い人間観察等、ミステリータッチさえ感じさせる物語。漱石全作品読破が頭の片隅に浮かんできた。2018/01/16

ゴンゾウ@新潮部

112
自身の大病、娘の死という苦悩を経て挑んだ作品。冒頭文壇での偏った批評家でなく新聞読者という当時の知識人に向けて書いた作品であると述べている。前半は好奇心旺盛な啓太郎の視点を借りて親友須永を取り巻く家族のことを冷静に観察している。後半部分では主役の須永やその叔父松本の独白という形式で須永の恋愛問題や親子の問題を描いている。幼い頃から兄弟同然に育った千代子との結婚に踏み切れない心の苦悩。叔父から出生の秘密を知らされ母の思いに気づきさらに苦悩する。放浪の旅へ出た須永はどう苦悩と対峙していくのか。2015/12/23

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