新潮文庫<br> 卍 (改版)

個数:
電子版価格
¥539
  • 電書あり

新潮文庫
卍 (改版)

  • ウェブストアに1冊在庫がございます。(2024年04月20日 01時13分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ 文庫判/ページ数 272p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101005089
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

絡まりあって堕ちてゆく女ふたり。恋愛小説の巨匠が描く、妖しい愛の奈落。

夫に不満のある若い妻・園子は、技芸学校で出会った光子と禁断の関係に落ちる。しかし奔放で妖艶な光子は、一方で異性の愛人・綿貫との逢瀬を続ける。光子への狂おしいまでの情欲と独占欲に苦しむ園子は、死を思いつめるが――。おたがいを虜にしあった二人の女が織りなす、淫靡で濃密な愛憎と悲劇的な結末を、生々しい告白体で綴り、恋愛小説家谷崎の名を不動のものとした傑作。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

444
物語は香櫨園に住む有閑階級の妻、園子が先生(谷崎)にことの顛末を、口語で語り聞かせるというスタイルをとる。当時の話し言葉であるだけに関西人以外(西日本の人はまだしも、東日本の人にはなおさら)には、きわめて読みにくいと思われる。しかも、内容もまた複雑に錯綜した愛欲と互いの嫉妬が描かれており、読者に与える感覚は、只管にねちねちと「ひつこい」(「しつこい」の関西方言)のである。当時は今よりも一層に反社会的なものと受け止められたであろうと想像される。これが昇華されて後年の『細雪』に結実してゆくのであるが。2015/05/12

ykmmr (^_^)

201
作者はこの手の『小説』が得意と聞く。それを認めてしまうかもしれない。最初に一言。『痴人の愛』より、こちらの方が好きである。まあまあ、主人公(ヒロイン)の園子が、コテコテの関西節で、顛末を語るやり方どあるが、それにより、その事がカムフラージュ出来そうな空気がある。緩和されているのは事実と思う。今でいう、『メンヘラ』女の園子だから、あくまでも主観目線になりがちになると思うから、実は解釈が違うかもしれない。光子目線・孝太郎目線…それぞれあって良いのかもしれない。2022/01/23

優希

156
濃密でした。関西弁で語られるからこその色気があります。絡まり合いながら堕ちていく女の愛に妖を見ているようでした。園子を惹きつけた光子の妖艶さは異性の愛人を虜にしているのみならず、園子にも情欲を抱かせる魔性を感じます。お互いを虜にし合った故に織り成されていく淫靡な美しさと狂気。愛によって狂っていく姿とその悲劇を耽美で生々しく描く世界は、恋愛小説の一つの形を生み出したようでした。ひたすら園子の語りで紡がれていくので、他の人の心が見えない怖さも秘めています。2016/10/26

nobby

142
いつも家い来て「あてもうちゃあんと覚悟してるわ」一緒に死ぬ気イだと言うてましたのんに、これほんまに愛してる云う思てはったんのんか知らん?「何しろ事件があんまりこんがらがってて」 歪ながら難解かつ複雑さ極まるのはまさに『卍(まんじ)』の記号、いや万字の漢字の如く…冒頭からずっと続く園子の関西弁の独白が小気味よく心に響く。すると作者註なる補足で語り手を“未亡人”と表す衝撃が匂わす不穏…いつのまにか禁断の恋に溺れ、嫉妬にまみれ、虚言を弄して、奈落に堕ちる…それでも尚、恋しいて恋しいて…少なくとも僕には理解不能…2022/07/23

扉のこちら側

120
2018年291冊め。女性二人の物語と思いきや、孝太郎と綿貫も絡んでタイトル通り卍模様の泥試合であった。嫉妬の恐ろしさは、「自分以外の他者のものにならないように」と歪んだ協定へたどり着く。『瘋癲老人日記』における片仮名文体もそうだが、この作品は関西弁だからこその、まとわりつくような何か湿り気を帯びた空気を醸し出すことに成功している。2018/07/09

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/576140
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。