新潮文庫<br> 優しさごっこ

新潮文庫
優しさごっこ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 393p
  • 商品コード 9784101002118
  • NDC分類 913.6

内容説明

その夏、とうさんとかあさんは別れ、かあさんは家を出て行った。そしてあかりはとうさんと2人で暮すことになった。料理、洗濯、掃除等、慣れない家事と必死で取り組む父と娘。父は娘に気づかい、娘は父に優しい、どこか奇妙な生活が始まった…。離婚から生まれた父と娘の新しい関係を、あたたかい眼差しで見つめ、父娘が共に成長して行く姿を描いて静かな感動を呼ぶ、児童文学の名作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nemuro

39
「本棚 網走・函館」(2013年4月~2017年3月の購入本)にあって「¥108 BOOK・OFF」のシールが貼られていた本書。あの頃、ブックオフを利用した記憶はないのだが、はて。また自分のブログで検索してみたら「2013年1月、滝川店」での購入。「かつて単行本で読んで涙した記憶があります」などと記してある。僅か1年だけ勤務した芦別時代。未整理のまま網走へ異動し次の函館への異動時には「本・網走」のダンボール箱に収納されたようだ。30数年ぶりの再読。更に齢を重ね2021年の未来から奮闘する父娘を眺めてみた。2021/11/23

とりあえず…

21
再読。初めて読んだ時は「出産などまだ先」だったけど、私にとってはこれこそが子育て本。離縁した妻に置いていかれた(感のある)お父さんと娘の奮闘記。沢山のええ人達に囲まれ、すったもんだしながらも、しっかりと前を向いてる父と娘に心温まる。子育てって絶対一人ではできない。沢山の人に愛された子は、沢山の愛をもった大人になれる。古いけど、古びない本です。(実際、この本、随分黄ばんでおります…))2022/01/28

風眠

9
丁寧な日本語とはんなりと柔らかい京都弁と、昭和30~40年代くらいの日本語には、ハッとするような美しさがある。たとえば、家族間でも敬語を使ったり、子どもに対しても大人は「子ども言葉」を使わずに話したり、「デザイン」という言葉がまだハイカラだったり、全体的に言葉がとてもきれいな印象の小説である。雰囲気は、榛野なな恵『Papa told me』に似ている。悩みながらも不器用に頑張る画家のとうさんと、大人っぽくて可愛い小学生あかりの健気さが、優しい気持ちにしてくれる物語。2013/01/09

しそゆかりうめこ

5
とうさんとあかりの、戦いと成長の日々。あかりちゃんがとても健気でかわいく素晴らしい。2人のやりとりや気遣い、明るさ、笑い、周りの人々との交流がしみわたるように、じーんとする。自然で嘘がなくとうさんがあかりと対等に向き合っているところが素敵だった。 こんな時どうやって乗り越え切り返せば人と人はうまくいくのか。たのしく暮らすヒントも詰まっている。2019/06/23

hr

5
読み始めて半分くらいまでは、物語の内部になかなか入り込めずに居たのになあ、、、途中からはとうさんとあかりがどんどん活動的に見えてきて、ひげの辺りからは、ハラハラしながら読み進めることが出来た。表現や考え方に古さを感じさせるところはあるけれども、登場人物一人ひとりが生きている感じの強さが魅力的で、その雰囲気は時代を超越していると思う。「冬の光」も購入しよう。2018/08/17

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