内容説明
まるで心がゆるんで溶けてしまいそうなくらい気持のよい、1961年の春の日の午後、川岸の芝生に寝ころんで空を眺めていた。川の底の柔らかな砂地を撫でるように流れていく水音をききながら、僕はそっと手をのばして、あの神秘的なランゲルハンス島の岸辺にふれた―。夢あふれるカラフルなイラストと、その隣に気持よさそうに寄り添うハートウォーミングなエッセイでつづる25編。
目次
レストランの読書
ブラームスとフランス料理
シェービング・クリームの話
夏の闇
女子高校生の遅刻について
財布の中の写真
みんなで地図を描こう
ONE STEP DOWN
洗面所の中の悪夢
時計はいかにして増加するか
トレーナー・シャツ雑感
CASH AND CARRY
UFOについての省察
猫の謎
哲学としてのオン・ザ・ロック
デパートの四季
BUSY OFFICE
ニュースと時報
小確幸
葡萄
8月のクリスマス
ウォークマンのためのレクイエム
「核の冬」的映画館
地下鉄銀座線における大猿の呪い
ランゲルハンス島の午後
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