- ホーム
- > 和書
- > コミック
- > 青年(一般)
- > 小学館 ビッグCスペシャル
出版社内容情報
奇奇怪怪な世界へと誘う、至高の短編集。 秘かに開催されている、『悪趣味クラブ』。悪趣味の限りを語り合う禁断の会合で、今宵俎上に上がったのは“とある美少女”。世にもおぞましい悪食晩餐会が、今はじまる―――――鬼才・諸星大二郎が描く、全てコミックス初収録の奇怪譚のオムニバス。パンドラの箱を開けた時、あなたはきっと、まだ見ぬ不思議に遭遇する。 【編集担当からのおすすめ情報】 第47回日本漫画家協会賞 コミック部門大賞受賞作!!『ビッグコミック増刊号』にて好評連載中の「諸星大二郎劇場」で掲載された傑作読み切りからなる短編集です!!その“全て”がコミックス初収録作品・・・・・・必携必読です!!【収録作品】鳥の宿月童星童美少女を食べるアームレスタイム・マシンとぼく俺が増える全7編
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
67
久しぶりに諸星大二郎に浸る。様々な国や時代を描いた短編が収められているが、全作にエロスの香りが漂う。特に、中国を舞台とした「月童」「星童」の連作は、人形と童子を愛してしまう倒錯した性と退廃が描かれていて秀逸だと思った。この本を読んだのはタイトルと表紙に惹かれてなのだが、諸星さんのこういう悪趣味も好きだな。2024/02/07
Vakira
45
2021年の夏頃、三鷹市美術ギャラリーにて諸星大二郎展が開催されていたので行ってみた。この本は多分その時に購入したものだと思う。読友さんのレビューを見て未読だったのを思い出し、引っ張り出す。2019~2020年にビックコミック増刊号に掲載された7編の作品集。さて表題の作品。密かに開催される「悪趣味クラブ」。悪趣味の限りを語り合う禁断の会合。本日のテーマは「美少女を食べる」だ。少女の写真やドレスが展示され、彼女が行方不明になったことを報じる新聞記事が回覧される。おいおい、マジか?2024/02/11
こら
44
諸事情で発売直後に読めなかったモロホシスト失格の私…自分が未読の諸星作品をこの人達は堪能済みなんだと思うと遅れを取り戻さねば、と嫉妬しました(笑)今回は非常にバラエティに富んだ作品集で、中国物、SF物、奇妙な味、と様々な異世界に誘ってくれます。中国物が面白いのは保証済みですが、珍しくメカニカルな近未来を描いた諸星版マッドマックスの「アームレス」も新鮮で面白い!2021/01/07
ぐうぐう
33
諸星大二郎の最新短編集は、そのどれもに、ほのかなエロスの香りがする。巻頭、「舌切り雀」をモチーフにした「鳥の宿」からして、幻想的なストーリーのそこかしこにエロティックな場面が挿入されている。それが、ただの妖しい物語で終わるのではなく、作品に深みを与えているのだ。中でも、「月童」と「星童」の二作が素晴らしい。諸星が得意とする中国ものだが、人形がもたらせる不可思議な展開が、性的な気配により、思わず呑まれるような重力を生んでいる。2020/12/05
くさてる
26
諸星大二郎なので。なんといっても諸星なので。としか言いようがない作風の迫力と面白さで一気に読みました。この独特な描線と悪趣味すれすれの面白さ、分かりにくさとぶつかりあうような物語展開。なにもかもが個性でほかに並ぶ作家はいないと思います。良かった。悪夢のような「月童」「星童」と、読後感がほの温かい「アームレス」が好きです。2022/07/20